家具を作り続けて75年の「土井木工」と、筆を作り続けて45年の「晃祐堂」、そしてビームス 広島とマクアケの共創プログラムから新たな「カワイイ」プロダクトが誕生しました。

今回の新作はビームス 広島さんとマクアケさんの共創プログラム第2段の一環で開発が始まりました。ビームス 広島の江口さんのご提案で魚の形をしたネコ用のブラシを企画しました。

江口さんも愛猫と一緒にライフスタイルを考えられており、保護猫にも力を入れておられます。そんな中、熊野筆を使った優しいブラシ、持ち手の長いブラシのご要望をいただきデザインが進んでいきました。

通常は豚の毛やナイロンの硬い毛や、一部鉄を使ったグルーミングブラシが多いと思いますが、今回は繊細なネコちゃんや、ヘアーが柔らかくブラシに負けてしまうネコちゃん用に優しい山羊の毛で作ることをディスカッションしました。

試作を何度も繰り返し、高級山羊の毛の白尖峰を80%、残り20%をPBTに分配したハイブリッドのブラシに落ち着きました。

新感覚のブラシにネコちゃんも興味津々です♪

ネコちゃんの体を優しく、毛筋にそって優しくブラッシングしてあげましょう。

熊野筆の毛先を大切にする技術で撫でるのでチクチクすることはありません。硬いブラシが苦手なネコちゃんも癒しを堪能してくれました。

魚の形をしているので思わず食べそうに飛びついたり！

恥ずかしがり屋なネコちゃんも柄の部分が長いので遠くからでもなでることができます。

猫ちゃんを癒すことで、ご主人様も癒されます♪

ブラシには輪っかをつける穴も空いているので壁にかけることができます。

ウォルナットで作られたブラシはインテリアとしても楽しむことができます。

それでは次にブラシがどうやって作られているのかご紹介します。

熊野筆の工房のご紹介

■晃祐堂の魂がこもった手作りのモノづくり

晃祐堂さんは1978年に広島県熊野町で創業された、広島の伝統工芸品の熊野筆を代表するメーカーです。熊野筆の制作工程は細かく分けると約30工程あるのですがWEB工場見学では代表的なユイイツムニの技法をご紹介します。

■選毛

ブラシは穂首と呼ばれ、最初の工程が穂首に使われる毛の選毛です。今回使用するのは天然の山羊の毛の束を厳選して、白尖峰と呼ばれる高級の毛に分けていきます。

毛の硬さや太さ、クセを見抜き均一な品質になるように分けていきます。最初の工程ですが、化粧筆の品質が決まってしまう重要な工程となります。

■さらえ

「さらえ」と呼ばれる工程は2種類の網を毛の束に当てていきます。

化粧筆の基準の網の穴の大きさより太い毛は編みに引っかかります。

この作業を繰り返し、繰り返し、ブラシの品質を良くしていきます。

■寄せ

選毛で厳選された白突峰を、寄せと呼ばれる作業でさらに厳選します。

台が小刻みに振動する作業台で束ねた毛を振動させます。振動させると不思議とクセがある毛や傷んだ毛が飛び出してきます。猫じゃらしの原理ですね！

■精毛

振動させて整え、原毛に含まれているクセがある毛や傷んだ毛だけを、櫛を使って抜き取ります。力が抜けすぎると全部抜けてしまうので絶妙な力加減で抜いていきます。

■コマ

整えられた毛はコマと呼ばれる筒状のものに入れて、ブラシの形を整えていきます。

昔は木製のコマを使っていたようですが、現代は樹脂製のコマを使用しています。

今回は魚の形の輪郭に合わせているので3Dプリンタを使用してオリジナルで製作します。

3Dでモデルを作りブラシの形をデザインします。

ブラシの先を凹ませたデザインにすることで、ブラシが猫ちゃんの体の輪郭にフィットするようにしています。この細かいデザインも3Dプリンタのおかげで実現しました。

■コマ立て

コマに毛を入れて振動する作業台で整えていきます。

毛をいれて細かい振動を与えることで全ての毛がコマに馴染むようにします。

■ブラシの完成です！

固まったら毛を取り出します。

立体的なブラシになりました。

以上が晃祐堂さんの魂のこもったモノづくりです。

晃祐堂さんの工場では筆作り体験もできるので皆様もぜひ体験されてください！

■土井木工のウォルナットのこだわりの

土井木工の家具ブランド「AUTHENTICITY」

土井木工の家具は主にアメリカの五大湖周辺で採れる良質な紅葉樹のウォルナットの無垢材を使用しています。主にソファやテーブルを作っていますが、そのウォルナットでブラシの持ち手の部分を作りました。

アイオワ州の上質なウォルナットの産地に足を運び直接木目を選びます。
今回のブラシも直接見て触った良質なウォルナットを皆様にお届けします。

■魚型のデザイン

今回のデザインですが、ビームス 広島の江口さんより、魚の形をしたブラシをご提案いただきました。

そして持ちやすいように全体的にスクリュー型に捻れているデザインのご要望も。

今回も3Dソフトを使って形をデザインしていきます。

まずは魚の形をモデリングし、デフォームモードで捩れを加えていきます。

何か物足りなかったので、泳いでいる魚を表現することにしました。

ベンドソリットモードで尻尾をくねくねさせて、撚りを加えることで泳いでる感じを表現しました。

全体像です。捩れと撚りを加えて泳いでいる感じになりました。

■CAMで加工データに変換

3Dが完成したらCAM(Computer-aided manufacturing)と呼ばれるシステムで、3Dデータ(igs)から加工データ(G-code)に変換させてます。CAMはマスターキャムを使用しています。

■CNCマシンで加工　

加工データを機械に取り込みCNCマシン(Computerized Numerical Control Machine)で加工します。手作業や木工旋盤では不可能な加工も実現可能です。

まずはウォルナットの塊を設置して荒削りをしていきます。

荒削りが終わると仕上げ加工をしていきます。

早送りでお届けしていますが、1本削り終えるのに30分かかります。

ブラシを入れる穴を掘れば完成です！

■研磨は人間コンピュータ

マシン加工が終われば木を磨いていきます。この作業は機械ではできず職人の手に委ねられます。回転している紙やすりに絶妙な力加減で木部を当てます。一部だけ当てるとその部分だけ削れていくので、形が崩れていきます。熟練の職人しかできない絶妙な作業です。

仕上げは布やすりで整えます。#180→#240→#400と荒い番手から細かくしていきます。

■最後の仕上げです。

最後の仕上げは塗装です。今回は自然塗料にこだわり、植物由来のオイル塗装でフィニッシュします。

■ブランドストーリー

土井木工と晃祐堂のテーマは熊野筆と府中家具を世界に広めることです。

ギフトショー 春2024において開催される4つのコンテストの1つの「女性のハートをキャッチするギフトグッズコンテスト」でネコ型ボディブラシがなんと大賞を受賞することができました。

韓国とシンガポールの展示会でもネコ型ボディブラシを展示したいと思います。

そして世界に広がれ日本のモノづくり！

今回のプロジェクトも皆様に広めていただけれるよう、一つ一つ魂を込めて皆様にお届けさせていただきます。

■ リターンについて

異なる4つのリターンをご用意いたしました。

・<魚型ネコ用ブラシ>仕様

■魚型ネコ用ブラシ 仕様
サイズ：幅4.6cm × 全長40cm × 高さ6.2cm穂先 3cm × 重さ130g
ブラシ：山羊の毛の白尖峰80%+PBTの混毛
木部：アメリカ産ブラックウォルナット無垢材

・<魚型ネコ用ブラシ>仕様

■魚型ネコ用ブラシ 仕様
サイズ：幅4.6cm × 全長40cm × 高さ6.2cm穂先 3cm × 重さ130g
ブラシ：山羊の毛の白尖峰80%+PBTの混毛
木部：アメリカ産ブラックウォルナット無垢材

■<ボディブラシ 柄付きタイプ>仕様

サイズ：幅8cm × 全長35cm × 高さ7cm(木部4cm/穂先 3cm) × 重さ200g

大きい穂先(ブラシ)：山羊の毛の白尖峰80% + PBTの混毛

小さい穂先ブラシ：山羊の毛の白尖峰40% + PBTの混毛

木部：天然木(広葉樹) アメリカ産 ブラックウォルナット材