「いつもの料理を、もっと美味しく食べてもらいたい」

そんな想いは、良い食材を準備したり、じっくり時間をかけたりすることで叶うことかもしれませんが、道具を変えることで、いつもの食材で手間なく変化させることもできます。

ツヤツヤの白ごはん、具材の旨味たっぷりのカレー、素材の味を活かしたラタトゥイユ、中までホクホクの焼きイモ、肉の旨味を封じ込めたステーキ…

これらをオールマイティに1台で可能にするのが長谷園『男厨 無水土鍋』です。

炊く・煮込む

土鍋本体の厚みがじっくりと熱を伝え、多孔質の土が蓄熱性を高めているので、お米や煮込み料理の素材の旨味を引き出します。重みのある蓋、本体と蓋の接点、中から発する水分が生み出すシーリング効果が密閉度を高め、炊飯も無水調理も美味しく仕上げます。

炒める・焼く

蓄熱性の高い陶土の効果で、肉や野菜を焼く時に本体の温度が下がりにくく、表面を素早く焼き上げ旨味をとじこめます。

空焚き可能な土鍋なので、輻射熱による遠赤外線効果で外はパリッと、中はジューシーに仕上がる蒸し焼き（ロースト）調理にもおすすめです。

『男厨 無水土鍋』は、伊賀の陶土を使用しています。

伊賀の陶土は、空気の層を多く保有する"多孔質土"で、高い蓄熱性が特徴。また、日本の陶土でただ一つ、土鍋になるほどの耐火度を持つ粗土です。それらは、400万年前に生息していた生物や植物の"遺骸"が多く含まれる堆積層で「古琵琶湖層」と呼ばれる地層から産出されます。

この陶土は、高温で焼成すると、遺骸の部分が燃え尽きて内部に細かな気孔(空気の層)ができます。気孔を多く含む多孔質土は"呼吸をする土"と呼ばれ、まるで深呼吸をする様に熱気を調節し、高い遠赤外線効果をもたらします。

また蓋の構造を再設計し、蓋の重みと本体の構造でシーリング効果を高めたり、蓋の上に炭を置いて陶製ダッチオーブンとしての使用や蓋のみを陶板としても使用可能にしました。

伊賀の多孔質土で成型した、この『男厨 無水土鍋』は、蓄熱力が高いので冷めにくく、火から下ろした後もトロ火で煮込むのと同じ温度帯を保ち続け、密封状態も相まって、食材の旨みを芯に封じ込めます。

さらに、蓄えた熱を使用した余熱調理だけでなく、土鍋内部の温度が急激に上昇することがない性質を利用し、例えば煮込み料理のように、食材にゆっくり熱を通すことでコクが増していくお料理にもおすすめです。

"美味しい"の条件である、適度な焼き色、表面カラッと、内部は水分と旨味でジューシーな仕上がりを実現する遠赤外線の効果は、食材を輻射熱で加熱する場合に得られます。それが例えば、食材に直接熱が伝導する金属のフライパンや、鍋で液体の対流熱を利用する調理器具で調理を行う場合には、その効果は十分に得ることができません。

そういう意味でも『男厨 無水土鍋』は、"美味しい"を堪能することに長けた機能を備えています。

現代のキッチン環境に合わせて、"使いやすく、馴染みやすく"するため、長年の研究と開発を重ね、長谷園が発表に至った独自技術を土鍋底面に施しています。

土鍋底面に、鍋底中央が高温になりにくい加工を施し、空焚きや時間調理を可能にしました。

①中央の突起がSiセンサーを通常より押し下げ、外部空気の流れの良い位置で冷却させながら感知します。
②放射線状の切込みが放熱及び通気性を増大させます。
③鍋底中央に高さを設け、Siセンサーに直接炎が当たりにくくしました。

ご飯土鍋"かまどさん"を世界に発信した"長谷園"が、技術を結集して開発することができた新しい土鍋。『男厨 無水土鍋』

休日に家族のために料理をするお父さん、彼女のために、こだわり食材を使って作る晩ご飯、キャンプ場や夏フェスのテントサイドで薪から火をおこし、友人たちと共に作り上げる"外ごはん"。

そんな様々な"男の料理シーン"に便利さと、カッコ良さを備えさせ、誰かのために作るいつもの料理が特別なものになるように、機能とデザインを追求し製作しました。

また調理後も、所狭しとキッチンスペースで収納場所をとる調理鍋の数々が、幅たった24cmほどの1台分のスペースにまで圧縮できます。

「男子厨房に入る」

料理が好きな男にとって、"生涯添い遂げるキッチンツール"が意外と世の中には少ないのではないだろうか。それが開発のきっかけとなりました。

例えば、使い込んだボロボロの長財布、走り込んだバイク、初めてのボーナスで背伸びして買った時計。他にも、書斎のヴィンテージ家具、コーヒーカップ、メガネ。

たった一度のお気に入りの物との出会いが、趣味に深みや、楽しみのエッセンスを生み出すはず。そんないわゆる"愛着"をキッチンツールにも持って欲しい。

そして、お料理は誰かに美味しく食べてもらうことが出来れば、料理人としての本望。自身の愛着の先にある『誰かに喜んで食べてもらうための鍋』をお届けしたい。

それが『男厨 無水土鍋』に込めた、我々の想いです。

相手を喜ばせる料理は、味はもちろん、調理器具の見た目が、料理のモチベーションを高める意味でも非常に重要な要素だと考えています。

『男厨 無水土鍋』は、不要なデザインを削ぎ落とし、シンプルで無駄の無いデザインで在ること追求しました。色は主張しすぎず、料理を引き立て、流行り廃りに左右されず、でも程よく存在感があることを目指しました。

それは、どんな部屋の壁紙、テーブルの色、使用シーン、個有の生活スタイルにもマッチするであろう鈍色(にびいろ)という色で表現することに行き着きました。

◆寸法

◆重量

約3200g

◆可能な調理方法

煮込み料理、焼き料理、蒸し料理、炒め物、炊飯、ロースト、薫製

調理例）無水カレー

調理例）ステーキ

調理例）ラタトゥイユ

調理例）焼き芋

調理例）炊飯

「男厨 無水土鍋」単品

長谷園 読本「recipe」付

『recipe』は2007年から毎年1冊づつ作成している冊子です。2019年8月の発刊で12冊目になりました。長谷園のモノ作りの思いから、その歴史、園内施設のご案内、長谷園製品を使用したお料理レシピ等、長谷園の全てを網羅しているコンセプトブックです。これを読めば長谷園の全てが判る、長谷園読本となっています。

※冊子中に登場する施設、商品、サービスには、現在は使われていないものも含まれていますので、予めご了承ください。

長谷園は天保3年（1832）にこの地に築窯して以来、伊賀焼の伝統と技術を継承して参りました。「作り手は真の使い手であれ！」の精神のもと、文明とともに進化するライフスタイルを体に感じながら、常に時代を見据えたものづくりに専念しております。

“食卓は遊びの広場だ”を理念にかかげ、日本の食文化に少しでもお役に立てるよう日々精進して参ります。今に生きる伊賀焼の逸品をお楽しみください。

初めまして。長谷園の代表を務めさせて頂いております、長谷康弘です。

現代の多様化したライフスタイルや価値観、外部環境の中で、家事やお料理を男性が行うシーンが以前より増えてきたことは周知の事だと思います。

そんな中、私たちの伝統産業、土鍋・陶磁器業界では、まだまだ女性に向けたデザイン思考のプロダクトを主として生産・販売することが多いです。果たして、これは、これからもずっと増加していくであろう男性のキッチンへの愛着や、"料理"の趣向性に深みやこだわりを持たせ続けることはできるのか。その疑問が、結果的に紆余曲折、長期間においての開発していくモチベーションとなりました。

この『男厨 無水土鍋』が、そんな料理好き男性の"キッチンへのこだわり"や"料理の楽しみ"を形作る、生涯の一品になることが出来れば幸いです。