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江戸商人の命「大福帳」を現代の洗える紙と伝統的な和綴じ職人の技術で復活させたい!

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ストーリー

  1. 江戸時代の商人が使っていた帳簿「大福帳」をオリジナル現代版にして復刻!
  2. クリーニングタグと同じように洗えるスーパータフな紙耐洗紙 を使用
  3. ひと針ひと針の手縫いで和綴じ の技術で作られる

こんにちは。新しい文具製作委員会の高木と申します。

Makuakeでは、これまでに「himekuri」と「NOUTO」そして「N」という3つのプロジェクトにチャレンジさせていただきました。おかげさまで、どのプロジェクトも多大なるご支援をいただき、無事に商品化することができました。支援者のみなさまには、この場をお借りして、あらためて御礼申し上げます。

さて、今回も突然で恐縮ですが、大福帳をご存知でしょうか?

そうです。江戸時代の商人が使っていた帳簿ですね。外見はだいたいこんな感じのものが多いでしょう。

そして中身はこのようになっています。

ちなみにこの画像は、大阪の老舗文具専門店「和気文具」さんのウェブマガジンから引用させていただいたものです。なんと今でも、レジ横に縁起物として、代々伝わる本物の大福帳が飾ってあるそうです。

大福帳には何を書いていたかと言いますと、主に、お客さんの名前、いつ、何を、どれだけ売ったか?ということが記されています。江戸時代の商売は掛け売りが中心でしたから、後で(盆暮の年に2回)これをもとに代金を回収していたというわけです。

今では信じられないですが、売った側と買った側にとって、基本的に証拠となるのはこの大福帳だけだったそうです。お互いが信用信頼のもと、売り買いをしていたのです。

ですから、商売人にとってこの大福帳は、命の次に大切なもの。顧客名簿であり、売買契約書であり、お客から取った借用書でもあります。これがなくなったらお家の一大事なわけで、店の主人をはじめ、番頭さん以下使用人はみな、大福帳を何より大事に扱ったそうです。

ところで、「火事と喧嘩は江戸の華」と言われるほど、江戸の町は火事が多かったことで有名ですね。関ヶ原の戦いの翌年である1601年から、1867年の大政奉還までの267年間で1798回もあり、そのうち大火と呼ばれる大火災が49回も発生したのです。

近くで火事になったら、商品などは放っておいて、商売人がまず持ち出すのは大福帳。しかし、逃げる途中で紛失したり、盗難にあっては元も子もありません。なにせ、お店の上得意様の情報がびっしり書かれているのですから、万が一、商売敵の手に渡ってしまったら、とんでもないことになります。

ですから、大福帳は持って逃げるのではなく、家の井戸に放り込んでおいて、火事が収まったら引き上げるということをしたようです。紙は水に溶けるだろうって?いえいえ、実は大福帳は、こんにゃく糊を塗ったり漉き込んだりしてある、特殊な「こんにゃく紙」という和紙で作ってありまして、水に浸けてもなんともない、乾かせば元通りになるという、大変な優れものだったのです。

という大福帳、まさに商売のすべてが詰まったデータベースですから、商売を新しく始めるときには、同業者から大福帳を買い、顧客を回ってがんばって商いをし、自分が引退する際には、長年育てた大福帳を売って、老後の資金にしたのだそうです。つまり、よいお店の大福帳ほど資産価値が高い、というか、お金そのものだったわけです。

わたくしは昔からこのお話が大好きで、文具の仕事をするようになってから、いつか大福帳に関係するものを作ってみたいと思っていました。でも、単に大福帳っぽい形のノートを作っても、全然おもしろくありませんよね。それでこの数年間、ずっとモヤモヤしていたのです。

そんなときに、ある人に出会いました。

「洗える紙」を作っている、共生社の槙野社長です。

共生社さんは、全国で4社しかない、洗える紙でクリーニングタグを製造している企業。クリーニングタグとは、これです。

クリーニング店に服を出すと、こういったタグがついて戻ってきますよね。

そこでお聞きしますが、あれはそもそも何のためについているか、ご存知でしょうか?

そう、どのお客さんから預かったものか、最後までちゃんとお戻しするための識別用なのです。つまり、服を預かったらすぐに取り付けるもの。チェーン店の場合は、どこのお店で預かったのかという情報も印刷されています。(もちろん、濡れても大丈夫な特別なインクで!)

それを、素材や汚れに応じてドライ、水洗いなどの方法でクリーニングするわけですが、洗濯ですから濡らさずにということはあり得ません。

洋服といっしょに、タグもガラガラと洗われます。その後、高温高圧のプレスなどを経て完成となりますが、そんな厳しい環境にも、このタグは耐え抜く強度を持っているわけです。

紙なのに、濡れても洗ってもプレスしても平気なクリーニングタグ。驚くのは、この紙がすでに数十年前から存在していたことです。確かに、クリーニングに出すと、昔からあのタグがついて戻ってきましたよね。

そしてさらに、このスーパータフな紙(耐洗紙と言います)は、これまでほぼクリーニングタグとしてしか、市場に出回ってこなかったという事実。

槙野社長は、このユニークな素材をクリーニング業界だけで使っているのはもったいないということで、数年前からメモ帳などの文具をリリースしてきたのです。

(こちらは HI MOJIMOJI さんとのコラボ商品、TAGGED MEMO PAD。)

「濡れても洗っても平気な紙?」

その瞬間、わたくしの中で急にモヤモヤが晴れました。先ほどの大福帳です。これを現代の耐洗紙で作れば、江戸時代の大福帳を耐水機能そのままに復活させることができる!

しかもこの耐洗紙は、伝統的な和紙と同じPH7の中性紙。昔から、洋紙100年和紙1000年と言われてきましたが、この紙ならば、長期保存にも最適です。

しかし、IT時代の世の中に大福帳が復活しても、それで顧客管理をする人はいないでしょう。今ではそういったデータは、すべてコンピュータ、クラウドに置いてありますから。

であれば、現代人にとって、守るべき最も大切なものは何でしょう?

今後の5年10年で、多くの仕事がAI(人工知能)に取って代わられるという世の中です。AIにはできないこと、人間にしかできないことは何か?それは、クリエイティブな発想や、アーティスティックな閃きですよね。これが、仕事ができるかできないか、いやそもそも仕事をゲットできるか否かの分かれ道になるのではないでしょうか。

ちょっと言い過ぎかもしれませんが、全く見当違いではないと思います。

つまり、「アイデア」「クリエイティビティ」というぼんやりしたものが、今後の人間にとって最も重要な情報になっていくであろうことが、予想されるわけです。

そこで、そうしたアイデアを書き留めておく大福帳ならば、タフな環境でもがっちり情報を守る耐洗紙を使う意義があるのではないか、そして、命の次に大福帳を大事にした江戸商人の思いも受け継ぐことができるのではないか。

長くなりましたが、これが、今回のプロジェクトの出発点です。

さて、大福帳を耐洗紙で作ることは決まりましたが、あれは見ての通り、手作業製本です。広く出回っている洋書がミシンでの大量生産とすれば、和綴じはひと針ひと針の手縫い。今まで作ってきたようなノートとは、まったく違う世界になります。

誰に作ってもらえばいいのかを考えた時に、真っ先に思い浮かんだのが、国宝社の木村さんでした。

国宝社は、大正8年から続く老舗の製本工場です。現在、業務の多くは一般的な出版物の製本ですが、和綴じのブランドとして、木村さんが数年前から「国宝堂」を立ち上げています。

実は、国宝社の創業者、林繁さんは製本の大名人で、製本の職業訓練学校を創設したり、『製本工作法』というテキストを記されたりと、製本文化・製本技術の継承にも尽力された方。なかでも和綴じには特別な思いがあったようです。

そしてそのお弟子さん、そのまたお弟子さんにあたる職人さんが、国宝社にはいらっしゃるわけで、機械にはない手製本の良さを、次の世代に継承したいというDNAが根付いているのです。

わたくし、もともと大福帳が大好きだものですから、以前ある展示会で国宝堂さんの和綴じシリーズのプロダクトを見て以来、ずっと気になっていたのですが、今回ついにお誘いできた次第です。

ということで、今回の新しい文具製作委員会のプロジェクトは、耐洗紙の共生社、和製本の国宝堂という、エッジの効いた2社のコラボレーションであります。

企画会議が始まりました。まずは大福帳のサイズから。

アイデアを書き留めて保存するのに最適な大きさはどんなだろう?

会議を重ねて、わたしたちは以下の結論に達しました。

スケッチや図を描きながら考える人のために、それなりの面積は必要ということで、最も一般的なノートの大きさである、B5に近いものは当確であろうと。

そして、文字を中心に書かれる人や、ちょっと小さなノートがお好みの女性のために、A5スリムサイズのカテゴリーをひとつ。このサイズもファンが多いですよね。

最後に、持ち歩けるメモ帳的なニーズに鑑みて、現在、国宝堂ブランドでもかべかけ帖として展開中のかわいいミニ大福帳サイズ。大福帳は紐で結わえてありますので、鞄などに下げてもいい感じだと思います。

大きさは、この3サイズといたします。

次に、表紙のデザインです。

まず、大福帳の顔となる題字ですが、これは広告業界などで活躍中のデザイン書道家、赤坂直恵さんに依頼をしました。赤坂さんは、幼いころから伝統的な書道を学びつつも、一度は普通のサラリーマンに。その後、商業書道に出会い、デザイン分野の勉強をし直し、デザイン書道家としてデビューした変わり種。2018年12月発行の『日本のデザイン書道家』(マール社)にも掲載されています。直江デザインスタジオ 代表。

赤坂先生には、リターンのひとつである、ワークショップでも講師をしていただきますので、お楽しみに。

罫は、ドットです。

さて、大福帳の表紙。どなたも見慣れた、ノーマルなものは問題ないと思いますが、それだけでは和テイストがゴリゴリですので、好みでないという方も多いでしょう。もしくは、和デザインは好きなんだけど、普段使うには抵抗があるという方もおられるかもしれません。

そこで、アナログの反対側をデザインしてみたらどうかと考えました。大福帳という筆文字が江戸ならば、現代は何でもピクセルで表示されている時代。パソコンのモニターの文字を、拡大したらどうなるか?というイメージを表現してみました。

まぁ、最新のデジタルアートと言うと、解像度が飛躍的に上がり、逆にアナログ的な滑らかさに戻ってしまっていますから、もうちょっと手前の、昭和後期あたり、インベーダーゲームが流行っていたころのデジタル感ですね。(メンバーの歳がバレますが)

罫線は、ピクセル柄ということで、方眼です。

そして、シンプルなデザインが好きな方にはこちらを。表紙の大福帳の文字を、エンボスで仕上げました。

中身も罫線なしですので、最もフリーにお使いいただけます。

最後に、これはダジャレ的に思いついてしまったものなのですが、大福帳もよろしいが、大黒様も商売の神様として縁起がいいではないかと。それで、「大黒帳」という全く新しい柄を考えました。

大黒ということで、思い切って白黒反転の、黒地に白文字といたします。真っ黒なノートですが、「黒」は黒字を連想しますので、そういう意味でも縁起の良い帳面です。

しかしそれだけではもったいない。せっかく新しい柄として冒険するのですから、本文の紙も、少々アヴァンギャルドに攻めたいと思います。白でなく、ピンクの紙でいきます。(もちろんこれも耐洗紙です。)

こんなノートやメモ帳、見たことありませんよね。クラウドファンディングですから、今までにないものを作らせていただきたいのです。罫はレッドドットです。

ピンと来た方は、ぜひ大黒帳もチョイスしていただきたいです。

さて、以上の3サイズ4柄、計12種類の大福帳を、今回のクラウドファンディングでご提案いたします。ご支援いただきながら、どの柄、どのサイズにニーズがあるのかリサーチし、その結果、もしかすると一般発売の際には不採用の柄やサイズも出てくるかもしれません。

どうぞ、わたしたちのミーティングルームに入ったつもりで、そして多数決会議に投票するつもりで、じっくりお考えいただければ幸いです。よろしくお願いいたします!

リターンには、完成したプロダクトの他に、ワークショップをご用意いたしました。(会場は、板橋区にあります国宝社となります。)

まずは、4/27(土)に開催される、赤坂直恵先生のデザイン書道ワークショップ。先生にデザイン書道についての講義をしていただいた後に、真っ白な表紙の大福帳(大サイズ)に、ご自身で好きな文字を書いていただくものです。

赤坂先生のインスタグラムより)

通常の書道ではない、自由な発想をお楽しみください。

そして、6/15(土)に開催されるのが、和綴じノートのワークショップです。写真のような帳面を、ご自身で製本していただきます。基本を習えば、あとは応用がききますので、趣味の世界が広がりますよ。

大福帳シリーズ

サイズ:
(大)272mm x 180mm
(中)210mm x 110mm
(小)140mm x 60mm

材質:
紙100%(紐は綿100%)

ページ数:
各サイズ50枚綴りを予定、各ページにミシン目入り

一般販売価格(予定):
(大)1800円
(中)1200円
(小)800円

※仕様・価格は変更されることがあります。その際は活動レポートなどでご報告します。

みなさまからの支援金は、

・印刷物の版代
・エンボスの型代
・材料費
・加工費
・リターンの送料

などに使用させていただきます。

●木村秀継(株式会社国宝社 取締役経営企画実行部長)

1983年 東京生まれ東京育ち

日本大学卒業後、独立系IT企業へ入社。10年後退社し、親族経営する製本加工業を行う「株式会社国宝社」へ入社、IT企業で学んだ内容を生かし、経営改善に努める。

自社工場を見回る中で、ふと気づく。私たちは「伝えるのささえて」であると。

工場へ日々、さまざまな人の想いが、紙の上に印刷されてやってくる。私たちの仕事は、それを綴じ、想いが届きやすい形にすること。そのツールとしての「製本加工」。

これを活かし今ままでとは違う形で、人の心と心をつなぐことはできないかと。家族の心をつなぎ、友人たちの心をつなぎ、恋人たちの心をつなぐ。そのような場面のあらゆるところで、私たちの技術を役立てたい。デジタル化が進んだ今だからこそ「人手間」かけたものを作りたい。

その気持ちから自社ブランド「国宝堂」がスタート、日本古来の製本技術、和綴じや大福帳の技術を利用した商品を開発し、2018年「板橋製品技術大賞 審査委員賞」受賞。

現在、その良き技術体験をワークショップとして実行中。

●槙野雅央(株式会社共生社 代表取締役)

1958年 大阪生まれ神戸育ち

甲南大学卒業後、特殊紙の専門商社である平和紙業株式会社へ入社。

その後、父親の経営するクリーニングタッグ製造メーカーである株式会社共生社に入社、業務用消耗品であるクリーニングタッグを国内への製造販売から世界へと需要を広げた。

バブル、リーマンショックを経て、世界的にライフスタイルが変動し、クリーニング需要が減少の一途となる中、2010年頃より洗える紙=耐洗紙をクリーニング業界向けの業務用ラベルだけに終わらせないため、異業種とのビジネスマッチングをはじめる。

2013年から文具デザイナーの「HI MOJIMOJI」代表の松岡厚志氏とのコラボで耐洗紙の活用プランを練り、2015年に屋外で使えて風に負けないガーデニングタッグの「TAGGED for Garden」を発売。

当時のクリーニング用のタッグは、洗濯物を洗うためだけに開発された紙であるため、カードのように厚い紙であったが、この水に濡れても破れない丈夫な機能を活かしながら、違う用途でも使えるよう製紙メーカーに依頼し、厚みを半分にまですることに成功。

このチャレンジの成果で、耐洗紙の用途は飛躍的に広がり、2016年「TAGGED MEMO PAD」でGOOD DESIGN賞を受賞。

2017年「TAGGED 7CUT MEMO」で『文房具屋さん大賞』ふせん部門で1位を受賞。また「TAGGED MEMO PAD」のタフに使える機能をアウトドア用にリデザインし、ザックなどにカラビナを使って下げられるよう、リング通しのハトメをつけた「TAGGED LIFE GEAR」を発売し好評を得る。

現在も精力的に「洗える紙」「落ちないインク」を武器に新分野・新商品の用途を開発中。

●高木芳紀(株式会社ノウト 代表)

1971年 愛知県一宮生まれ名古屋育ち

文具ノベルティの企画販売と、オリジナル文具の製造を行う株式会社ノウト代表。「日本の優れた文具を、外国人観光客のみなさんの代表的なお土産にしたい!」をスローガンに、文具ファンの裾野を広げようと東奔西走中。

2012年より、文具朝活会・文具祭りを主催している。『文房具屋さん大賞』審査員長。

●おおきひろみ(株式会社ノウト アートディレクター)

服飾デザイナーを経て、イラストレーター、グラフィックデザイナーに。アパレルを中心に様々な分野にイラストやデザインを提供。現在は株式会社ノウトのオリジナル文具の企画開発デザインも担当。ファッショナブルな文具企画で業界に一石を投じるべく奮闘中。

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2019年6/15に板橋区で開催する、国宝社での和綴じノート作りワークショップへの参加権となります。
参加者さまには、PDFの招待状をお送りします。

※PDFのデータはプロジェクト終了後、Makuakeメッセージにてお送りいたします。

デザイン書道+オリジナル大福帳作りワークショップコース

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参加者さまには、PDFの招待状をお送りします。

※PDFのデータはプロジェクト終了後、Makuakeメッセージにてお送りいたします。

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