〜小型ウォレット「 collet」〜　　　　　　　　意匠登録出願中

コレットの型紙製作はお財布を1番小さくする理論値を考える所から始まりました。

元々工房artigianoとして製作していたミニウォレットがあったのですが、基本の設計思想を全ての収納が同時に使えて使い易いお財布としていました。

何度か女性のお客様にお札を見られたくないからお札と小銭は別の方が良い、と言われる事があり「別で良いならもっと小さく出来るのになぁ」と感じたのが始まりです。

カラーは５色！

お札は三つ折りする物として収納する物の中で1番小さい物を考えるとカードでした。

カードを1番小さく収納するには左右か上下を巻き込んで何処か別の場所で縫製をかけるという方法でした。

この時のサイズがカードプラス2.5ミリです。

この1番小さい収納方法を元に、上からも下からも出てくることに不安がありましたのでタブで引き上げる構造に改良しました。

両サイドを持って丸い金具が付いた紐を引き上げると一緒にカードが出てきます。

小銭入れは両マチで内容量に合わせて膨らむように設計してあります。

それでいてマチに収納量も邪魔されず、大きく開くようにバランスを上手く合わせました。

小銭をちゃんと出していると、限界まで増えても（999円）余裕があります。

札入れは、「一万円札ピッタリのサイズをギリギリで三つ折りする」という理想論を元に、どうやったらカードのサイズからはみ出さずにそれを実現出来るかを試行錯誤して辿り着いた形です。

中央のフレキシブルに動く仕切りのお陰で大きく開き、ピッタリサイズのはずの一万円札が楽に出し入れが出来ます。

また、この自由に動く仕切りのお陰で少量だと薄く小さくまとまり、沢山入れても札入れがちゃんと閉まるようになっています。

また札入れの底にあたる部分には当工房の独自技術により貼り合わせをしております。

縫製をかけると楽ですが、ここに縫製をかけると収納幅が足りずお札がギリギリになってしまう上に、札入れの底がYの字型にキツくなってお札が入れにくくなってしまいます。

それに比べてこの貼り合わせを行えばUの字型になるのでお札の出し入れも邪魔せず、収納幅も多くなります。

この貼り合わせは私にしか出来ないので、一つ一つ全ての商品の貼り合わせを一人の職人で仕上げます。

写真は合成ですが、札入れ中央に焼印が入る予定です

求めたのは「小ささ」ではなく「効率」です。

小さい「設計効率」と使い易い「使用効率」、沢山入る「収納効率」この全てを実現出来るように設計しております。

私たちの設計してきた製品は「見た目以上に沢山入る」とよく言われます。

それは内側に関しても収納に関わる無駄を全て削り落として、最大限の『理論値』に近い収納力を引き出しているからなのです。

『ten to sen』

〜近道探しの旅路〜　

『ten to sen』は枚方で活動している工房artigianoから発信する新しいプロダクトブランドです。

工房artigianoで培ってきた型紙の知識や技術を総動員して製作する新しい形をコンセプトにしています。

点と点の間を真っ直ぐに貫く線のように、繊細でいて洗練された物、全ての「引き算」が終わった最後のシンプルな直線だけを届けられるように心掛けております。

私の信条は常に自分でゼロから作り出す事。

無から有を創造し続ける事です。

たとえこの世に財布という物や形が存在しなくても私は自分でこの形に辿り着いただろうと感じられる物だけを形にしています。

同じ作る時間でも型紙を作る時間はお金になりません。

ただ型紙を作るという事が好きで仕方なかったので、ひたすら新しい形を生み出し続けていました。

習う事はただ舗装された近道だけを教わるような物です。

様々な「地点」を知る事は出来てもそれらが「線」で結ばれる事はありません。

その「地点」を自分の足で踏む事があった時に初めて「線」は繋がるのです。

失敗することではお金も時間も無駄になってしまったかの様に見えますが、確実に経験が積み重なっていきます。

私には今までの数えきれない失敗の数があるからこそ良い型紙が作れるんです。

使用するのはイタリアンレザー「ブッテーロ」

イタリアで100%ベジタブルタンニンにて鞣される本革の中でも最高の経年変化を見せる最高峰のレザー素材です。

私の設計では革を強度の取れる最大限にまで薄くするので、この表層が硬くしなやかで伸びのあるブッテーロが欠かせません。

この革は販売する時の状態よりも使い込んだ時の経年変化にこそ本領を発揮します。　　

一般的な国産レザーと比べると高価で色ムラも強く傷もつきます。

永く使ってもらいたいという思いが強いからこそ永く使うほどに愛せる素材を選びました。

工房artigianoのルーツは手作り市にあります。仕事をしながら貯めたお金で少しずつ道具を揃えていき、休みの日などに製作をしながら手作り市で売り歩いていました。初めは道具も少ないのでずっと手縫いでやっておりました。少しずつ出た利益で道具を揃えていき、今では地元ひらかたパークの近くに店舗兼工房を構えております。

1人で設計、デザイン、製作をこなしながら今では友人に製作面で手伝って貰いながら活動しています。

手作り市では商売に関する様々な事を学んできましたがその中でも特に「手作り市」でしか学べなかったなと感じる事があります。

「手作り市」では人と人が直接接して自分の作っている物を販売します。

チェーン店や大型店舗が多い最近においてこの体験は貴重なもので、これこそが原初の商売というものだと思います。

この直接販売するという「場」では作っている人、お客様、イベント運営者、全員が幸せになります。

店舗や会社の大型化で現代人が見失いかけている本来の商売の形が見えてきます。

本来商売とは、お金という媒体を使って参加する全ての人が幸せになる事です。

私は「お金」というものを欲望の具現化したものように捉えていましたが、「お金」というものはただのやり取りする為の媒体にすぎず、価値を示す為の物です。

この手作り市という場においては会社にではなく人に対してお金を払う事ができます。

この場ではお金を払う事ですら楽しい事なんです。

私は自分の仕事においても関係する全ての人が幸せになるというこんな「理想論」を形にできるように永く続けていきたいと思っています。

今までは関西と、年に数回の東京でのイベントにて販売をしておりましたが、今回のプロジェクトで成功する事が出来ればもっと色々な土地を自分の足で踏んで、色々な土地の人々と出逢いながら販売をしていきたいと思っています。

特に革製品に関してはネットモールなどで買うのは勿体無い事で、永く使える素材だからこそ自分の作ったものと永く付き合ってくれる製作者のもとで買うべきものです。

今回のチャレンジを見て興味を持っていただけた方々とも各地でお会いできることを楽しみにしています。

※本プロジェクトを通して想定を上回る皆様からご支援を頂き、現在進めている環境から量産体制を更に整えることができた場合、
　正規販売価格が販売予定価格より下がる可能性もございます。
※開発中の製品につきましては、デザイン・仕様が一部変更になる可能性もございます。
※ご注文状況、使用部材の供給状況、製造工程上の都合等により出荷時期が遅れる場合があります。
※サイズは設計上のものであり、個体差があります。