茶碗や茶杓、茶さじ、茶こしはご家庭のキッチンにあるさまざまなモノで代用することができます。
しかし「茶筅」だけは、家中あちこち探してみても、似通った調理道具は見当たりません。それではと「泡だて器」で試してみても、ザラザラ感が残ってしまいどうも美味しく点てられない...

お客さまの目の前で、さっと一服点ててみてはいかがでしょうか。
茶筅で点てたお茶は、豊かな香りやきめ細かな泡立ちはもちろん、抹茶とお湯がしっかりと混ざり合うので最後までなめらか。
日本文化に興味のある外国人のお友だちへお贈りしても、きっと喜ばれることでしょう。

皆さま、初めまして。茶々助と申します。

私は以前、抹茶をモチーフにしたさまざまな商品がが巷に溢れている現在ではなかなか出会うことがない「昔ながらの高品質の抹茶」を普及させたいという願いから、抹茶専門店を開業しておりました。
現在は、運悪く手を怪我してしまい閉業しておりますが、そんな専門店時代によくお客さまからお聞きしたのが、「茶筅だけは、家にあるモノで代用できない...」という声でした。

その後も茶道具の開発などの活動をしながら、高品質抹茶の普及について思案していたところ、やはりボトルネックが茶筅であることに気づき、ご家庭でも気軽に使用できる「茶筅」の考案を始めました。

早速、イメージしたものをコピー用紙で試作し、身近にある牛乳パックや厚紙、クリアファイルなどさまざまな素材を試してみました。しかし、どれも帯に短したすきに長しで、しっくりきません。
最適な素材を求めて製紙会社や紙加工の会社に問い合わせてみても「不可能」というお返事をいただく毎日。

そんな折、プラスチック代替素材の高密度厚紙である「エリプラペーパー®」で作られたカトラリーに出会います。

※エリプラペーパー®は大王製紙株式会社の登録商標です。

早速、メーカーである大王製紙様に問い合わせ、商品企画をプレゼン。
素材サンプルをご提供いただき、コンパスや分度器、定規、カッターを使って手づくりしながら紙の厚さや設計の調整を繰り返し、ようやく納得のいく試作品の設計図が完成します。

しかし、次に問題となったのが、量産のための加工でした。

穂先の細かいところまで忠実に再現するにはレーザーカットが好ましいのですが、とても「ご家庭で手軽に」楽しんでいただけるような価格にはなりません。

約2年という長い間、鈴木紙工所様にご協力いただき、試行錯誤を繰り返しました。

そして今回、ようやく商品化することが可能となったのです。

私は普段、日本茶の販売を生業としています。
最近、外国の観光客や小学生のお子さんなど、普段あまり抹茶を点てないお客様が多くなりました。
抹茶を飲みたいけど、茶筌や抹茶茶碗など一式揃えるといい値段になってしまう...
しかし、スプーンで混ぜただけでは、本来の抹茶の風味が出ない...
接客をするたびにそんなもどかしさを感じていました。

初めて紙の茶筌を見た時、正直うまく点てれるか疑っていましたが、実際に使ってみて驚きました。普段使いの茶筅として、申し分ないクオリティだと思います！

学校の教育現場・旅行・キャンプ・登山・海外へのプレゼント。利休さんが見たら、きっと喜んで使うのではないでしょうか？
ぜひ一度先入観なく試してほしい茶筌です。

紙の茶筅は、竹製のものには及ばないものの、抹茶を点てるには十分な性能を持っており、きめ細やかな泡を立てることができました。特に、お湯に浸けると茶筅が丸みを帯びる点が興味深く、携帯用や初心者向けとして最適です。

エントリーモデルとして体験型の抹茶普及に役立ち、特に「点てる抹茶」を広める一助となると考えます。また、点てる際に組み立てれば良いので、形が崩れる心配がなく、登山などで茶筅を携帯する際にも非常に便利です。

従来、抹茶を点てる行為は茶道に関連付けられており、ハードルが高いと感じられがちです。しかし、この製品を通じて、より手軽に抹茶を楽しむきっかけを提供できると思います。

軽量で持ち運びが容易なため、海外市場や観光客向けの商品としても魅力的であり、抹茶を気軽に楽しむというコンセプトの国際的な認知度向上にも貢献できることを期待しています。

お抹茶を楽しむ為の道具がまた一つ増えた事、大変嬉しく思っています。紙の茶筅は形状も薄く、持ち運びに便利で旅先やギフトにも適しているように思います。

お茶の文化はもちろんですが、折り紙等の日本のものづくりや紙の文化をより広く伝えられる可能性も感じます。お抹茶に触れる機会が増える新たなきっかけになる事を願います。

紙製茶筅を使用し、紙でここまでのクオリティーを出せるとは、と非常に感心しました。もちろん、しなり具合など竹製あるいは樹脂製茶筅に及ばない部分もあるものの、想像以上に抹茶を点てることができました。
今回は2煎試してみましたが、問題なく連続で使用することができました。

内穂の方が外穂よりも出ているのがお分かりいただけると思います。
この部分の名前は「茶じみ」。抹茶茶碗の底にた溜まった抹茶とお湯をしっかりなじませる役割を持っています。

「茶筅だけは、家にあるモノで代用できない...」

そう聞いた時、「え、泡だて器があるじゃない？」と思った方もいらっしゃることでしょう。もちろん、この「泡だて器」を使っても、きめ細やかな泡がきれいに立ち上がります。
しかし、この「茶じみ」に当たる部分がないため、茶碗の底に溜まった抹茶がお湯と混ざり切らず、ざらつきが残ってしまうのです。

飲み干した後を見てみれば、泡だて器では抹茶がきちんと混ざり切っていないのが一目瞭然。
茶筅で点てたお茶が、香り豊かで最後までなめらかなのも、納得ですよね。

本来、茶筅は円形をしていますが、素材として採用した原紙の硬さを加味して六角形の形状になりました。多角形にすることで「紙を曲げる必要」がなくなり、製作コストを低減できています。
外穂を固定するためには偶数格が好ましかったのですが、四角では強度が弱く、八角では組み立てが煩雑になることから、六角形に落ち着きました。

強度、しなやかさ、そして抹茶の点てやすさ。

これらすべてをしっかり機能させるべく、穂の本数と長さを設計しました。
これ以上長くしてしまうと細すぎて抹茶を点てるのに必要な強度が保てません。
かといってこれ以上太いと固くて点てることができず、反対に短いとお湯が暴れてこぼれてしまいます。

美味しい抹茶を点てるためには、持ち手からまっすぐつながる中穂と錐形に広がる外穂の形状、穂先のしなやかさが必要となります。

このやわらかな広がりを再現するために、あえて「組み立て式」にし、お使いいただく直前に茶筅通し（少しの間、お湯に浸しておく）することで穂先のしなやかさが生まれるように設計しました。

茶道具で唯一「消耗品」と言われている茶筅。高級な竹製茶筅は100〜300回使用することを想定していますが、初心者の方やご家庭で使用する方にとって耐久性は重要ではありませんよね。

紙の茶筅は「使い捨て」にすることによって、より手軽に、気軽にお試しいただけるようにしました。

それでも、1回のご使用に5服まで点てられます。

柔らかくなったらしばらく乾燥させることで、3回程度繰り返し使用することが可能です。

総合芸術としての茶道。

日本文化の美徳として機能と共に「立ち姿」も重要であると、茶筅の職人さんに色々と教えていただきました。

外穂の角度、固定、ミシン目を途中でなくすことで抹茶を点てた後は円形になるよう、抹茶を点てた後も美しく見える細かい工夫も施しています。

水分を吸収する紙の茶筅は抹茶を点てた後も持ち手が汚れないため、美しさを維持できるのもポイントです。

本来、竹製の茶筅ではカビ防止のため、抹茶を洗い流し、湯返しをして、乾かしてから保管しなければなりません。また、茶筅は使えば使うほどすぼまっていくため、茶筅直しで形状を戻すことも必要となってきます。

紙の茶筅なら組み立て式のため、穂先がすぼまってくることもなく、使い捨てなので衛生的です。

原紙には、プラスチック代替などに使用でき、高密度で剛性のある「大王製紙FSエリプラペーパー®（FSC認証紙）」を採用。
100%バージンパルプから作られ、食品衛生法に基づく食品添加物の規格基準に適合しており、抗カビ性・抗菌性を備えた高機能な素材です。

この紙で作った「紙の茶筅」で点てた抹茶は、紙の影響で味が変わることはなく、竹の茶筅と同じようにしっかりと美味しく点てることができます。

従来の茶筅はプラスチックなどのケースに入れて保管、持ち運びをする必要がありました。
しかし紙の茶筅は組み立て式なので、はがきサイズ程度の紙2枚のみでOK。保管も持ち運びも簡単なので、今までになかった抹茶シーンを創造することが可能です。

キャンプ・BBQといったアウトドアや、ご家庭でのティーパーティーに最適。ギフトやお土産としても喜ばれることでしょう。

穂先の2cm程度を約15秒、お湯につけます。
穂先のほど良いしなりが、よりきめ細やかな泡を点ててくれます。

器に抹茶（ティースプーンに軽く1杯の約1.5～2g）を入れたら、少量の水（ペットボトルのキャップくらいがベストです）を注ぎ、紙の茶筅で混ぜてペースト状にします。この状態であれば、お湯を注いでから泡立てるまでに少し時間がかかっても、抹茶の劣化を防ぐことができます。

抹茶がペースト状になったら、沸かしたお湯を約60cc程度入れ、紙の茶筅でシャカシャカと混ぜてください。

通常は1分以内に混ぜないと風味がとんでしまうと言われる抹茶ですが、事前にペースト状にしておけば、ゆっくり時間をかけて混ぜてもOK。

初めての方でも、お気軽にご家庭で抹茶本来の味を堪能することができます。

▼紙の茶筅の詳しい使い方は、こちらをご覧ください▼

▼紙の茶筅の詳しい組み立て方は、こちらをご覧ください▼

愛知県瀬戸市は、千年にわたる陶磁器の歴史を誇る「せともの」の街です。日本の六古窯の一つに数えられる瀬戸焼は、長い歴史の中で培われた伝統技法を誇り、その象徴的な釉薬「瀬戸七釉」が存在します。

今回のリターンでは、この伝統を継承する4種類の瀬戸焼抹茶碗をご用意しました。それぞれ異なる魅力を持つ「織部」「黄瀬戸」「志野」「御深井」の釉薬が使われた抹茶碗からお選びいただけます。

茶人・古田織部の美意識が反映されており、斬新な形や文様が特徴です。伝統的でありながら個性的なデザインが、抹茶を点てる時間を一層特別なものにします。

16世紀後期から焼かれるようになった淡黄色の釉薬を使った器です。優しい色合いと温かみのある風合いが、抹茶の緑と絶妙なコントラストを生み出します。

白い釉薬と鉄絵が特徴的なこの器は、シンプルでありながらも奥深い美しさを持ちます。抹茶の色を引き立てる上品なデザインです。

江戸時代に名古屋城の御深井丸で作られたことに由来するこの器は、青い装飾が施されています。爽やかで落ち着いた雰囲気が、抹茶の香りとともにリラックスしたひとときを提供します。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。
茶々助の今川と申します。

地元愛知県が抹茶と縁深いことから、かねてより興味を持っており、2016年に抹茶専門店「茶々助」を開業しました。

決して大きな利益は生めないながらも、定期的に足を運んで下さるお客様にご支援いただいておりましたが、2019年10月に不注意で指の大怪我をしてしまい、1ヶ月入院。それまでの仕事をこなすことが難しくなったこととコロナ禍の影響を受け、2020年10月に実店舗を閉店しました。

その後も、開業前に通わせていただいた茶道関係の方々や、働かせていただいた茶農家の方々にもお世話になりながら「大量生産の抹茶ではなく、昔ながらの製法で丁寧に作った高品質の抹茶を普及」を目的とした活動を展開。

茶々助での経験をベースに、高品質の抹茶が楽しめる機会や新たな市場を創造するため「紙製の茶筅」を発案・開発する運びとなりました。