それは偶然見つけた一つの資料から始まりました。100年前のデニムのレシピ…。糸の番手、打ち込み本数、染色、染料…。現在では再現するのが困難な工程もありましたが、アルバートンの小松さん率いるプロジェクトチームの手によってほぼ当時のレベルまで再現。そしてジーンズの産地、「児島」の職人によって更に100年後でも語ることのできるデニムをKOJIMA GENESが企画いたしました。

今回の「CENTURY DENIM」は緯糸にサイロ杢、経糸に調合した染料を使用し、穿きこむごとに独特の経年変化を感じて頂けます。
シルエットは50年代、60年代をイメージした２つのシルエットをご用意。細かい部分の違いも楽しんで頂けます。
そして今回のプロジェクトは井原～岐阜～名古屋～児島とそのルーツを探る旅でもありました。是非とも「CENTURY DENNIM」を通して100年前の物語を楽しんでくださいませ。

凡そ100年に作られていたアルバートンデニムの資料を元に再現する今回のプロジェクト。その資料を紐解くとモノづくりの歴史や背景などが伝わってきました。当時1910年頃のアメリカではデニムに使われるまだ合成インディゴの染料を作ることができず、ドイツのBASF社しか作ることができませんでした。

第一次世界大戦に突入すると、ドイツからの合成インディゴ染料の輸入ができなくります。主流の天然インディゴでは濃度が出ないため、やむを得ず緯糸に黒に染めた綿を混紡するMOCTWISTをすることで濃度を上げました。MOCTWSITは杢の語源ともなった杢糸のことでアルバートンデニムでは糸と糸を撚り合わせた撚糸ではく、綿の状態で紡績するサイロ杢を使用していたことが資料に書かれております。

その後1920年代にアメリカのダウ・ケミカル社が合成インディゴの開発に成功し、コーンミルズが独占契約します。

・当時のアルバートン資料

出来上がった糸を織布するのに使用した織機は、日本が世界に誇る自動車メーカー「TOYOTA」並びにトヨタグループの源流にあたる豊田自動織機が1959年に製造・販売していた「TOYODA G3」です。この半世紀以上も前の織機は生地の産地である井原~児島地区でも数十台しか稼働していないヴィンテージ織機で一台で一日あたり0.7反（約35メートル）しか織ることができません。

未だに現役で稼働する「TOYODA G3」ですが、最新の織機に比べると当然性能は劣りますが当時の織機にしか出せない味、雰囲気を出すために生地の職人が大事に稼働させております。そして出来上がったアルバートンデニムもまた当時の生地の雰囲気を十分に醸し出しております。

アルバートン(生地)に至った理由、その糸を作る工程、当時の織機、様々な歴史があります。全てを開示するのは、あまりにも遠く、長く、深い話となります。
この度はその一端では御座いますが、是非皆様にご覧頂ければ幸いです。

今回のセンチュリーデニムを作るにあたり、ご協力頂いたのがアルバートン ディレクターでもある小松真治さん。

アルバートンデニムとは、一体どう言ったデニム(生地)になるのか、インタビュー形式で、ご回答頂いてますので、是非ご覧下さい。

《 アルバートンとは？ 》
ALBERTON®(アルバートン)は日本発の本格アメリカン ダック生地メーカーです。その名の由来は、今を遡る1830年代 アメリカの東海岸部では川沿いを中心に繊維工場が立ち並ぶ様になってきました。
メリーランド州のバルチモア パタプスコ川流域でも例外なく繊維工場が立ち並び1868年の大規模洪水のあと1870年織物の町は1938年長引く大恐慌でその名が途絶えるまでALBERTと呼ばれていたところから来ています。

《 アルバートンデニムの特徴 》
1) 8番/12番の糸の組み合わせで11オンス程度のライトオンスデニム。
2) 緯糸にサイロ杢を使用し、経糸には資料に記載されている調合にて染色。
3) 使用する織機は「TOYODA GL-3」（G3とGL３は緯糸の給糸のシステムが違う以外は同じ織機になります）

この度、サイロ杢の糸を作って頂く、株式会社ナイガイテキスタイル。綿を解し、調合、精製して1本の糸を作り上げて行きます。
1本の糸がどれだけ複雑な工程を経て、形となっていくのか、工場に潜入させて頂きましたので、是非お楽しみ下さい。

一般的には撚り杢の糸は色の違う2本以上の糸を撚糸して作成しますが、サイロ杢は色のついている綿の状態から紡績し、杢糸に仕上げていきます。撚り杢に比べて自然な風合いになります。

画像で比較(当社自社比較)すると一目瞭然の違いです。

今回使用する豊田自動織機G3。
その基礎となるG型自動織機が置かれた、トヨタ産業技術記念館へお伺いさせて頂きました。

トヨタグループの共同事業として設立したトヨタ産業技術記念館は、豊田佐吉が明治４４年に織機の研究開発のために創設した試験工場の場所と建物を利用して建設しました。

豊田佐吉が1924年に発明・完成させた、無停止杼換式豊田自動織機(G型)の1号機。

24の自動化、保護、安全装置で構成された、優れた性能を発揮し、世界各国の繊維産業の発展に寄与した装置となっております。

・実際に動いている様子もご覧頂けます。

当時は自動化のものは殆ど無く、大部分を手作業で行っておりました。
そこで、豊田佐吉は当時身近にあった、手織りを動力化して自動化したいという思いが強くなり、生涯をかけてG型自動織機を発明して行きます。

上下に糸を開き(開口)、開いた"たて糸の"間に、"よこ糸"を入れて(よこ入れ)いきます。このままでは、糸が緩んでいる状態となっているので、下記の画像の様に布になる部分に押し付けて(筬打ち)行きます。
当時どれだけ織物に時間が掛かったかうかがえます。

機械化された現在もなお、この工程は行われています。

現在は、トヨタ自動車が有名となっておりますが、繊維機械から始まった豊田自動織機。トヨタ産業技術記念館では、繊維と自動車、どちらも見学出来るようになっております。是非、過去から未来へ続く技術を体感して頂きたいと思います。

豊田自動織機の歴史を始め、G3の特徴、何故織機メーカーから自動車を作るようになったのか、トヨタ産業技術記念館で働く小椋 岳文さんにインタビューさせて頂きました。

約20台余りの豊田自動織機G3を稼働させる織物工場。
現在のマシンでは、織る事の出来ない独特の風合いを楽しむ事が出来ます。

G3のパーツを作る事が現在では不可能に近いため、同型のパーツを繋ぎ合わせて稼働させている、貴重な織機になります。

もう何十年もこの業界を見てきた小松さん。今でも常に生地への探求心を持ち続けて、色々な生地をプロデュースしています。

今回のアルバートンデニムもそんな探求心と長年の経験を持つ小松さんの思いが詰まったデニムです。そして今回このデニム生地のルーツを探りに「トヨタ産業技術記念館」様、「株式会社ナイガイテキスタイル」様に取材させて頂き日本の殖産産業としての紡績業の歴史や1900年代初頭における世界情勢なども知ることができました。
歴史を紡いでくれたアルバートンデニムの物語を製品と一緒に楽しんで頂ければ幸いです。

・シルエット : ワイド
・ウォッシュ : リジット(未洗い)
・フライ : ボタンフライ
・オンス : 11oz
・サイズ : 30/31/32/33/34/36/38/40/42
・素 材 : cotton 100%
・モデル : 175cm 65kg 32インチ着用

■ボタンフライと白耳セルビッチ

旧式の織機で織られた生地。最新式では織る事の出来ない、厚みのある生地を楽しむ事が出来ます。また、生地の端（耳の部分）を織る為、幅広に生地を作る事が出来ず通常の生地よりも価値のある生地となっています。

■アルバートン オリジナルスレーキ

アルバートンデニムの証明である文言を、スレーキにプリント。

■山羊の革パッチ(ヴィンテージ縫製)

デニムと同じく経年変化を楽しめる革パッチ。さらに一筆縫いと呼ばれる、腰帯上部〜ベルトループ〜革パッチの回りを一気に縫い上げる、昔からの縫製技術。縫製に使用したミシン糸はコアヤーンを使用。生地と共に経年変化を楽しんで頂けます。

※製品はキバタ-未洗い-の状態でお届けとなります。

キバタ-ワンウォッシュ-

・シルエット : ストレート
・ウォッシュ : ワンウォッシュ(防縮加工済)
・フライ : ジップフライ
・オンス : 11oz
・サイズ : 30/31/32/33/34/36/38/40/42
・素 材 : cotton 100%
・モデル : 175cm 65kg 32インチ着用

■ディティール

ジップのYKKユニバーサルモデルを始め、コインポケット、リベットにも日本製にこだわったディティールとなっております。

センチュリーデニム加工見本
通常のデニムとはまた違った表情をお楽しみ頂けます。是非、穿き込んで自分色に表情を作って頂きたいと思います。

model : 175cm 65kg 32inch着用

スマートフォンでご覧の方は、画像をクリックすると拡大致します。

1)革パッチについて
センチュリーデニムに使用している革パッチは経年変化を楽しめるゴート革（山羊革）を使用しております。ゴート革は丈夫なレザーではございますが、水に弱いので定期的に防水スプレーで水シミを防いでください。乾燥を防ぐ為に保湿クリームを塗って頂けると更に味のあるエイジングが楽しめます。革は熱や乾燥にも弱いので洗濯後に乾燥機に入れたり長く天日に干すことは絶対に避けてください。

2)キバタの縮率について
キバタは、生地本来の風合いを保つため防縮加工(サンフォライズ)とねじれ防止加工（スキュー）、毛焼き加工がされておりません。その為洗濯後ウエストと股下などにかなりの縮みと全体的にねじれ、生地の表面の毛羽立ちが発生致しますがヴィンテージ生地の持つ風合い、味として穿きこんでください。縮みの詳細はサイズ表にてご確認お願い致します。

3)生地の特性について
昔のヴィンテージ織機を使用している為、節糸、ネップ、綿玉などが発生する場合が御座いますが、これはTOYODA G3の証としてご了承下さいませ。但し着用できないほどの傷が御座いましたらご交換させて頂きます。

キバタ-未洗い-

キバタ-ワンウォッシュ-

サンフォライズ

センチュリーデニムについて、こんなこと思っていませんか?

Ｑ）縮みますか？
Ａ）縮みは発生致します。キバタとサンフォライズで違いが御座います。

・生デニム(キバタ)
サンフォライズ加工は施しておりませんので、最初の洗濯時は縦10.5% 横5.5%の縮みが発生致します。裾上げの際は必ず事前に一度洗濯してから裾上げをして下さい。
・サンフォライズ
防縮加工の入っていますが、およそ2%の縮みが発生致します。
こちらも一度洗濯してから裾上げをして頂く様にお願い致します。
糊落としにつきましては、弊社のYOUTUBEをご覧下さい。

Ｑ）裾直しは出来ますか？
Ａ）応援して頂く段階では、お裾直しは承っておりません。
お近くのお直し屋さんに行って頂くか、商品がお手元に届いた後、ご連絡頂きましたら詳細をお送りさせて頂きます。その際に、送料、裾上げ料金など発生致しますので、予めご了承下さい。

Ｑ）サイズが合わなかった場合や商品に不備があった場合、交換は可能ですか。
Ａ）製品の到着後７日以内の未使用商品(洗濯前)であれば、以下の場合に限り１度だけ交換を受付ます。
◎サイズが合わなかった場合
◎万が一、製品に欠陥等が見つかった場合
(ただしお客様のご使用による柔軟剤の匂いやキズ、シミ、汚れ等が見られた場合、交換をお断りする場合がございます。)

交換方法はプロジェクトページ「実行者へ問い合わせ」のページにて
・ご氏名
・ご希望のサイズ
ご記入の上、ご返送ください。

尚、送料は往復お客様負担です。
商品に不備がある場合には、負担させて頂きます。
カラーのご変更・ご返品は出来ませんので予めご了承下さい。

Ｑ）いつ納品されますか?
Ａ）2023年 4月末予定
プロジェクト終了時から半年程の納期を要します。生産の進捗については活動レポートより随時お知らせ致します。

Ｑ）応援購入後のキャンセルは出来ますか？
Ａ）Makuakeの規定により、注文後のキャンセルを承ることができません。ただしサイズが合わない場合、なおかつ弊社に在庫があった場合に限り、交換対応が可能です。その場合、お受け取りから7日以内にご連絡ください。

Ｑ）プロジェクト期間中にサイズ・カラーの変更は出来ますか？
Ａ）プロジェクト期間中のサイズ・カラーの変更は原則行っておりません。一度、商品が応援者様に届いてからのご対応となります。応援購入頂く際は、サイズ・カラー間違いにお気をつけ下さい。

Ｑ）発送予定日までに引っ越しの予定があるのですが、どうすればいいですか？
Ａ）配送先変更の手続きをお願いいたします。配送先変更方法についてはこちらをご覧ください。
https://bit.ly/3r3Wk2n

◆最後に

「児島ジーンズ」の母体でもある、株式会社フックは1996年に設立し26年間、「最良のジーンズ」を求め素材の開発をしてきました。
児島ジーンズのブランドが生まれて12年、これまで色落ちや生地の強度、縫製技術に拘って商品開発に取り組んで参りました。
耐久性の向上、異素材のコンビネーション、特殊繊維の混紡は児島ジーンズにとってのスタンダードで、現在も定番として生産し続けています。

「手を抜かないものづくり」が弊社の社訓です。

これからも、日々新しい挑戦と、日本製「児島ジーンズ」に恥じないモノづくりをして行きますので、皆様宜しくお願い致します。