苦みや酸味に味わいがあると言うけれど、
私の嗜好にぴったり合うコーヒーは見つからない。

おいしいと言われるコーヒー屋や銘柄、焙煎方法はたくさんあるけれど、
自分が心からおいしいと感じるコーヒーがなかなか見つからない……。

そんな方々にご紹介したいのが、焙煎人が届ける多彩なコーヒーの「飲み比べセット」です。

焙煎を技能として突き詰めてきた焙煎人だからこそ生み出すことができる、繊細な風味の違いをお愉しみください。

同じ赤色でも、茜色、朱色、緋色、薔薇色、深紅など、さまざまな表現があるように、同じコーヒーの「苦味」や「酸味」でも豆の個性や焙煎方法によって色とりどりの味わいが生まれること。

そして、「苦味」は「甘苦さ」へ、「酸味」は「果実感」へと姿を変えることを知っていただきたい。

どこか知らない国を旅するとして、ガイドブックに載っているオススメの観光スポットが自分好みの場所とは限らないですよね？

何に心惹かれ、何に夢中になり、何が記憶に残るかは人それぞれ。

生産地や品種、精製方法、焙煎方法によってさまざまな香りや味わいを愉しめるコーヒーだって同じです。

誰かにとってのおいしいが自分にとってのおいしいとは限らないし、その逆もしかり。飲み手の方々が知らない味に出会い、焙煎の世界が広がるよう、奥深きコーヒーの世界の一端をお見せします。

コーヒー豆は生産地や品種だけでなく、焙煎度合いによっても味がガラッと変わります。

その驚きを感じていただけるよう、エチオピア、コスタリカ、ブラジル、コロンビア、インドネシア（アフリカ、中南米、アジア）の５種類のコーヒーを「甘苦味」と「果実味」の2通りに焼き分けてご用意しました。

この10通りのコーヒーの中には、あなたの好みに近いものと遠いものがあるはずです。

いろんな種類のコーヒーを飲み比べて“コーヒーの地図”ができれば、よりそれぞれの個性が浮き彫りになり、違いを愉しむ感性が育まれます。

同種の生豆を同じ道具で焼き分けて、適切な風味を作り出すのが焙煎人の技能なのです。

「うちのコーヒーはブラックで飲んでください」と飲み方を指定するところもありますが、ミルクや砂糖を入れても負けない味になるように仕立てるのが焙煎人の仕事だと私は思います。

またスペシャルティコーヒーは、例えばパンやスイーツ、和菓子などと合わせてもそれらを引き立てる名脇役にもなりえます。

そして、ご自宅でも気楽に細かいことにこだわった淹れ方をせずとも十分ご満足いただけるように焙煎することを心がけており、それこそが、焙煎人の腕の見せどころだと思うからです。

私は普段から、「おいしい」という言葉は極力使わないようにしています。なぜなら、おいしいの基準は人それぞれだから。

「何がおいしいですか？」と聞かれたときは、そのお客様にとっての「おいしい」という言葉が指すものを探りながら、それに合うものをおすすめしています。

おいしさは誰かに決められるものではなく、人それぞれの感覚や嗜好によって決まるものだと思います。

私は中学校で子どもたちとコーヒーを焙煎することがあるのですが、最初は「コーヒーは飲まれへん」と言っていた彼らが、おかわりを求める場面に何度となく立ち会ってきました。

子どものようにまっさらな頭と心でコーヒーを飲めば、また違った世界が開けるのではないでしょうか。

私がコーヒーの世界で働き始めてから20年以上、焙煎を始めてから10年以上経ちます。焙煎人としての技能にこだわってきた結果として、神戸マイスターや兵庫県技能顕功賞などをいただいています。

残念ながら、誰もが知っているコーヒー会社でも、そのコーヒーをどんな人が焙煎しているのかは、知られていないのが現状です。

どんな良質な生豆でも、焙煎の良し悪しがその風味を決定づけるにもかかわらず、日本では焙煎人に価値が置かれることはないと言っていいと思います。

ひと昔前に比べれば、コーヒー業界に入ってくる人はずいぶん増えました。業界の裾野が広がったのはいいことです。

しかし、一方で「コーヒー店やカフェは簡単に始められる」という認識も広がっています。レストランや菓子店と違い、なぜか自家焙煎店も含めたカフェは特にです。

確かに生豆を焙煎して、「飲むことができる状態」にすることは誰でもできるのですが、開業する人も、またその店を利用する方々にとっても本当にそれでいいのでしょうか。

「どんなプロファイル（料理でいうレシピ）で焙煎しているんですか？」とよく聞かれます。しかし焙煎する場所の気温や湿度、使用する焙煎機も違うので、プロファイルをなぞったところで同じ結果にはなりません。

コーヒーの世界でも便利なデジタル機器が浸透していますが、私は機械を使って創造性を高めようとしているのではなく、機械と同じことを人間がやろうとしているだけのような気がしています。

料理人やパティシエと比べて​​専門性がないと見られることが多い焙煎人ですが、誰がコーヒー豆を焙煎するかによって味の仕上がりは大きく変わります。

技術だけではなくものづくりに対する考え方も含め、自分に合う焙煎人を見つけられれば、コーヒーの世界はさらに奥行きが増すのではないでしょうか。

橋本さんは兵庫県で唯一のコーヒーに関する技術を認定された人です。コーヒー生豆のことから焙煎、抽出において全ての分野に精通しており、コーヒー業界での競技会でも輝かしい成績を残しています。

コーヒーというのは農作物なのでまったく同じ味になることはなく、焙煎も然りで焼く人によって味わいが異なる。生豆の選定とそれを焙煎する技能、この二つが揃うことで唯一無二の味わいを産むことができます。私は同業者なのでそれが良くわかります。

神戸マイスター橋本和也さんの創り出す味わいは、大手にも決して負けないコーヒーである。 彼が創り出すコーヒーのファンの一人として、私は彼を応援しています。

Coffee Temple　URL: https://coffee-temple-kobe.com/
田和 佳晃（日本スペシャルティコーヒー協会認定・アドバンスドコーヒーマイスター）

■ 特別なブレンド

内容量：200g
原産国：ブラジル、コロンビア、コスタリカ
焙煎度合：中煎り
ブレンド：アフターミックス

特定原材料8品目　該当なし

パーチメント発酵槽の水温を12℃以下に保ち、76時間かけ発酵させた製法のゲイシャ種を使用したブレンドです。

この特有の豊潤な風味をいかした他にはない特別なブレンドコーヒーをお愉しみください。

左：豆 or ペーパードリップ用（中挽き）
右：ドリップバッグ

■ 内容量
豆またはペーパードリップ用：50ｇ
ドリップバッグ：12g（挽き方：ミディアム）

特定原材料8品目　該当なし

■ ETHIOPIA
イルガチャフィー G1 セレクション

原産国：エチオピア
地域：シダモ地区 イルガチャフィー 標高1900m
品質：エチオピア原種
精製方法：ウォッシュド
焙煎度合：中煎り and 深煎り

■ COSTA RICA
アキアレス農園

原産国：コスタリカ
地域：タルダコ州 トリアルバ アキアレス地区 標高1200~1350m
品質：カツーラ、カツアイ、カティモール
精製方法：ウォッシュド
焙煎度合：中煎り and 深煎り

■ BRAZIL
ブラジル ダテーラ農園

原産国：ブラジル
地域：ミナスジェライス州 パトロシーニョ市 標高1000~1100m
品質：ムンドノーボ、カツーラ、他
精製方法：パルブドナチュラル
焙煎度合：中煎り and 中深煎り

■ COLOMBIA
コロンビア ウィラ セレクション

原産国：コロンビア
地域：ウィラ サン・アグスチン 標高1350~1850m
品質：カツーラ、カスティージョ、ティピカ
精製方法：ウォッシュド
焙煎度合：中煎り and 中深煎り

■ INDONESIA
マンデリン G1 セレクション

原産国：インドネシア
地域：スマトラ島 リントンニフタ 標高1400m
品質：アテン、ティピカ
精製方法：スマトラ式
焙煎度合：中煎り and 深煎り

１：特別なブレンド 200g （限定個数30）

２：焙煎度合いの違う同一のコーヒー3種×2通り 各50ｇ×合計6袋・合計300g

３：焙煎度合いの違う同一のコーヒー5種×2通り 各50ｇ×合計10袋・合計500g

４：焙煎度合いの違う同一のコーヒー ドリップバッグ5種×2通り・合計10袋

５：ご来店いただける方限定・マンツーマンでのコーヒー教室（お土産コーヒー豆200g付き）

カフェ ラヴニール：橋本和也

2002年に日本で初めて行われたコーヒーの抽出技術を競う大会に出たことをきっかけにコーヒーの道に進むことを決意。大手カフェチェーン等を経て2010年に店内に焙煎機を設置したスペシャルティコーヒー専門店カフェ ラヴニールを開業。

大学や調理製菓専門学校で講師を務める他、神戸市内の中学校でゲストティーチャーとして教壇に立つ。

2014年、兵庫県青年優秀技能者表彰 、2017年、スペシャルティコーヒー技能者として神戸マイスターに認定 。焙煎を技能として磨いてきたことが評価され、2019年には兵庫県技能顕功賞を受賞。

ジャパンコーヒーロースティングチャンピオンシップ 2013 全国3位など入賞経験あり。

私は何度か来店されたお客様には「喫茶を利用されるのも、ご自宅で淹れて飲まれるのも、さほど変わりません。そのほうが経済的ですよ」とお話することがあります。

確かに抽出は「最後のひと手」ではありますが、特にスペシャルティコーヒーに関しては、生豆の品質と焙煎が適切であるかどうかのほうが重要で、ご家庭でよいコーヒーを愉しんでいただくには、抽出にこだわるよりもしっかりご自身の好みに合うコーヒーを選ぶほうがはるかに大切だと考えているからです。

コーヒーは本来、雑誌で特集されるような華やかなものではなく、もっと日常に寄り添ったものだと思います。自宅でもコーヒーの豊かな世界を味わっていただけるように確かな仕事を提供し続けるのが、焙煎人だと思います。

応援よろしくお願いします。