BEAMSはこれまで長き渡り多くの皆様に洋服を届けてきました。トレンドに合わせた新しい商品を購入いただくだけでなく、長く愛していただける定番商品を末長く使っていただくことができないか。そのひとつの答えを今回の商品でお届けしたいと考えています。

今回、本プロジェクトのために製作した「デニムジャケット」は、ワークウェアにルーツを持つ丈夫なつくりが特徴で、飽きが来ないファッションの永遠の定番として長年愛されてきました。

B:MING by BEAMS （ビーミング by ビームス）は今回、そんな「デニムジャケット」を誰でも着ることができるよう、最新技術の「3D CAD」を取り入れ、年齢、性別、さらには体型さえ不問のオールラウンドなシルエットにアップデート。

これにより、夫婦・カップル間で洋服のシェアを可能にしたほか、将来的には子供や孫など、次の世代にも受け継ぐことができるようなアイテムが完成しました。

また、使用しているデニム生地は、生産の段階で加工されていない生（新品）の状態のため、デニムを“育てる”という喜びを体感することができます。ヴィンテージも元々は新品です。自分が子供を育て、その子供が孫を育てる過程において、この「デニムジャケット」も共に歳を重ねていけば、それは古着屋では決して購入できない唯一無二の「デニムジャケット」となるはずです。

以下では、①誰でも着用することができるようにB:MING by BEAMS （ビーミング by ビームス）の企画チームが熟考したサイズへのこだわりや、②様々な年齢・体型のBEAMSスタッフが登場するコーディネート提案、③デニムジャケットの解説、④使用している生地“カイハラデニム”の凄さなどをご紹介します！

通常、洋服はS、M、Lと複数のサイズが展開されますが、このデニムジャケットは1サイズ展開になります。

それは小さいものだと大柄な人は袖が通らず、逆に大きいものだと小柄な人にはブカブカすぎて、大切な人にシェアすることや引き継ぐことができないからです。

ただし、洋服の概念を覆す“全ての方に似合うサイズ感”を生み出すのは、B:MING by BEAMSが誇るデザインチームを持ってしても一筋縄ではいきませんでした。男性と女性は疎か、身長や体型さえ不問の黄金比は、修正に修正を重ねても答えが出ない日々が続きました。

そこで、より繊細な計算をするべく、建築や精密機器の部品などにも使用されるモデリングソフト「3D CAD」を採用することに。

「3D CAD」では様々な体型のアバターを作成し、各部を事細かに採寸。そして、そのデータを基に、より立体的な視点で寸法を決めた結果、小柄や痩せ型の方はトレンド感のあるビッグシルエットで、身体の大きな方は着丈のバランスが良く、圧迫感のないジャストサイズで着こなせる、オールラウンドなシルエットを見つけることに成功！

これにより、複数のサイズ展開をすることなく、誰とでもシェアし、誰にでも受け継ぐことのできる“寿命のない”デニムジャケットが完成しました！

“性別や体型関係なく着ることのできる洋服”と聞いて、半信半疑の方もいるでしょう。そこで、BEAMSスタッフ協力の下、モデル撮影を実施。痩せ型の若い男性・女性スタッフから、ベテラン社員、さらには大柄なバイヤーまで、全員が同じデニムジャケットを着用しています。

身長 176cm

カジュアルにあわせるなら、Tシャツやスウェット類が定番。ですが、デニムジャケットはインナーにシャツを着てもOKです。青やネイビーといったデニムと同色系のシャツでコーディネートに統一感を出すのはもちろん、上のように暖色系のシャツを取り入れるのも◎。帽子を被ると、より都会的な印象を与えます！

身長176cm

大柄な男性が着てもご覧のとおり。インナーに着ているマリンテイストのボーダーTシャツは、デニムジャケットとの相性抜群です。あとはシンプルなパンツにスニーカーを履くだけで、爽やかなお出かけコーディネートの出来上がり！

身長163cm

お次は、女性の着こなしサンプルを。腕をまくって、少し肩を落として着ると可愛いらしい印象を与えます。インナーとパンツ、どちらか一方に色のあるアイテムを差し込むとオシャレ度がUP！

身長171cm

大人の渋さが出てくれば、あわせるアイテムも不問。BEAMSのオススメは、ポロシャツにチノパン。足元から素肌を覗かせると、色気が出てGOODです！

ご覧のとおり、誰が着ても違和感のないスタイリングに仕上がることがお分かりいただけたでしょうか？

是非、夫婦やご家族の間で、それぞれの着こなしを楽しんでみてください！

バスト：126cm 裾回り：115cm 着丈（ベルト含む）：69cm 肩幅：55cm 袖丈：61cm 袖幅：28cm 袖口幅：14.5cm カフス幅：5cm 裾ベルト幅：5cm

洋服そのものがサステナブルであるには、破れたり、壊れたりしないこと、すなわち高品質でなければいけません。

なので、今回製作したデニムジャケットは、“日本製”にこだわりました。日本のデニムづくりは世界中から一目置かれるクオリティで、有名ブランドのデニムのなかにも“MADE IN JAPAN”を採用しているところは少なくありません。

今回製作したデニムジャケットは、日常を美しくする普遍的で、ベーシックな洋服を提案してきた「B:MING by BEAMS （ビーミング by ビームス）」で展開している通常サイズのものと同様の仕様を採用しています。

“B:MING BEST BASIC（BBB）”と呼ばれるシリーズの人気作であるこちらのジャケットは、デニムを知り尽くし、ドクターデニムの異名を持つ本澤裕治氏のオリジナルブランド「ファイヤー サービス」と共同開発しています。

デザインは、アメリカ東海岸・ニューヨークの街を行き交うお洒落な人々をイメージ。縫製も70～80年代に始まった機械任せの大量生産型ではなく、少量しか生産できず、手間がかかる反面、高品質に仕上がる昔ながらの丁寧なヴィンテージ型を採用しています。

生地は1年中着ることのできるよう、デニムの標準的な厚さと言われる14オンスのものを。リジッドデニム（洗いなどをしていない未加工の状態）なので、最初は固く感じるかもしれませんが、着れば着るほど馴染んでいき、シワや色落ちなど、デニムを育てる面白さを感じることができるはずです。（※リジットデニムは、洗うと約2～3センチ程度縮む可能性があります）

その他、ボタン、裾のアジャスター、ステッチの使い分けと、ディテールにも一切妥協がなく、数多の洋服を見てきたB:MING by BEAMSの企画チームも納得の洗練された逸品に仕上がっています。

デニムジャケットの生地には、広島県福山市に本社を構える「カイハラ」社のデニム生地を採用しています。

「カイハラデニム」は国内シェア約50%を誇る日本トップクラスのデニムメーカーで、現在では約30カ国に生地を輸出し、その品質はトップブランドにも認められています。

同社の強みは、世界でも非常に珍しい一貫生産体制にあります。厳格な品質基準を設け、紡績から整理加工まで、デニム作りのすべての工程を社内で完結させているからこそ、高品質のデニム生地を絶えず生産することができるのです。

デニムの原料である高品質なコットン選びの審美眼、着る人の“感性”に響く乱れのない丁寧な織り、再現性と独自性の高いカイハラ・ブルーの染色技術、「カイハラ」社のクオリティーはどこを切り取っても一級品。

それでいて、「カイハラ」社はデニム界のリーディングカンパニーとして、環境問題にも積極的に取り組んでいます。

工場近くを流れる清流の水を染色に利用している同社は、「“染”の字を分解すると“水九十八”と読めるように、染色は水が命」と、長年にわたり自然との共生を目指してきました。

そんな自然への感謝と恩返しの気持ちから、「カイハラ」社は公的基準を大きく超える厳しい自主環境基準を設定し、排水処理は最新設備によるオゾン処理で徹底した浄化を行っているほか、重油ボイラーをLPガスボイラーに入れ替え、省エネルギーとCO2排出削減にも努めていることを公言しています。

「学生時代からアルバイトで貯めたお金を握っては洋服屋に通い、洋服屋になってからも給料のほとんどを服につぎ込むという、まさに"三度の飯より服が好き"という生活を送ってきました。

バイヤーという今の職種に就いてからも、もちろんそのマインドは変わらず絶えずトレンドを追いかけながら、お客様にとって"新しいもの"を届けようと、もの作りを行っています。

ただその一方で作り手だからこそ、大好きな服を"いつまでも大切に着てほしい"という想いも強くなってきました。生地がヘタってきた、トレンドではない、体型が変わってしまった、という理由で服が廃棄されてしまうのがやりきれなくて…

そんな想いが、今回のこのデニムジャケットには込められています。実際の仕上がりを見ても、自画自賛ですが大満足。多くの方にこの想いと、日本製の細やかで確かな技術に触れてもらいたいと思います。私は、まずは妻とシェアしながら着続けて、いつの日か、今はまだ小さい娘に色落ちの仕上がったこのジャケットを引き継げる日を楽しみにしたいです」

B:MING by BEAMS バイヤー 佐藤嘉紀