前作の小型薪割り機PWS(Portable Wood Splitter)。その開発裏で動いていたもう1つのプロジェクト。

私の「欲しい」という気持ちから開発が始まり、昨年12月にここMakuakeさんにて公開しました小型薪割り機PWS(Portable Wood Splitter)。

キャンプ好きの多くのサポーター様に支えられ大変ご好評頂きました! 改めまして応援購入を頂いたサポーター様に感謝申し上げます。

PWSを応援購入頂きましたサポーター様、誠にありがとうございました!!

そのPWSの試作品テストをしていた昨年10月下旬。刃の耐久テストの為に大量の針葉樹と広葉樹の薪を割き終わった後に焚き火をしていた時のことでした。

私が普段使っている焚き火台は皆さんご存知のピコグリル型のもので、焚き火台の中では比較的軽量で持ち運びが容易でした。何度も使ってきた焚き火台は熱による変形が所々に見られ、買い替えを検討しました。

キャンプを始めて間もない頃は隙間時間があればよく焚き火台をネットサーフィンで探し、自分が欲しいと感じた物をブックマークしていました。その頃焚き火台に求めていたポイントは「デザイン性に富んだもの」でした。

珍しい形状のもの。幾何学模様があしらわれたもの。製造メーカーの所在地の象徴的な風景をあしらったものなどをブックマークしており、偶然にもそのほとんどが鉄で作られた焚き火台でした。

購入に踏みとどまっていた時、たまたまそのうちの1台を知人が所有しており貸し出してくれることとなり、実物を自分の車に積み込む為に持ち上げた時、

「重い」

そう感じました。当時は何も分からなかったので「焚き火台ってこんな重さなのか」という感覚だったのですが、後日キャンプの時に借りた焚き火台をサイトに運ぶとなった時もそのように感じ、「こんな重い物をみんなは当たり前の様に運んでいるのか」と驚愕した記憶があります。

その経験から初めての焚き火台はステンレス製の焚き火台にしようと決心しました。鉄製の焚き火台に比べてソロ用のものともなると部品点数が少なくシンプルな構成で持ち運びが楽。お手入れも簡単で当時は「とても良い買い物をした」と感じたことさえ思い出します。

その後頻繁にキャンプ場へ足を運ぶようになり、使用するたびに熱変形が酷くなっていくのを感じて、現在に至るまでに2度も買い替えていました。

ステンレス製の焚き火台で次も探していた時に

「LMGテーブルで使った極厚アルミニウムで焚き火台を作ったらどうなるのだろうか?」

そう思いました。家庭用に使うフライパンにもアルミニウム製はあるのになぜ焚き火台ではあまり見当たらないのだろうか...?

「試してみたい。」

後日アルミニウムで耐熱試験を行い、極厚アルミニウムなら歪みがほぼ無い事がわかり、鉄製とステンレス製の問題点をクリアした焚き火台をアルミニウムで作ってキャンプに行きたいという願望が出てきたのが開発のきっかけです。

特徴その① 総重量わずか3.4kg! 持ち運びが楽らく!

カッコ良いデザインでも重たく錆びがちな鉄製の焚き火台をキャンプ場に持参するのは一苦労。

Bacatsのシンボルとも言える無骨なディテールのFCSはそのデザインも妥協せず、持ち運びの事も考慮した上で素材にアルミニウムを採用し、総重量を3.4kgに抑えました。

特徴その② 15秒ほどで即組立!

キャンプ場に到着後の設置に時間をかけたくないので、パーツはBacatsのロゴマークが刻印されている2枚の板(ロゴプレート)、2枚の側板(サイドプレート)、1枚の底板(ボトムプレート)とシンプルな構成。15秒ほどあれば組み上がるようにしました。

それぞれのパーツにある切り欠きと切り欠きを組み合わせ、バラバラにならない様に固定するピン(ロックピン)をボトムプレートの穴に差し込み、ロストルを組み込めば設置完了となります。

特徴その③ 30cmの薪がジャストフィット!

キャンプ場やホームセンターなどで販売している薪の長さは30cm程度のものがよく流通している為、FCS内側のサイズも薪に合わせて設計しました。

特徴その④ 上昇気流が起こる様に計算された構造が火おこしの手間も軽減!

焚き火台設営後は種火を起こしてからある程度火が安定するまで消えない様に見張り、消えそうになったら風を送る。その経験は今や昔の話です。

FCSは豪雪が降る日でも針葉樹の薪2本と焚き付け1本があれば、あとは放置をするだけで安定した種火を作ることが出来ます。種火が大きくなれば、乱雑に薪を投入するだけで焚き火が楽しめます。

その秘密はサイドプレートとボトムプレートのわずかな隙間。この隙間から風を取り込む事で上昇気流が起こり、種火を大きく育てることが出来ます。今まで焚き火台から目が離せなかったその時間を他のことに使うことが出来ます。

特徴その⑤ 地面へ伝わる熱も軽減!

　　　　　　　　　　　　地面からボトムプレートまでの高さ

　　　　　　　　　　　　　地面とボトムプレートの間の温度

地面からボトムプレートまでの高さは約6cm。鉄やステンレスなどの金属に比べて熱伝導率が高いアルミニウムでもこの高さに設計する事で地面へ伝わる熱も軽減しました。

※FCSの使用には焚き火台シートが必須です。

特徴その⑥ 撤収も楽らく!

使用後には灰がボトムプレートに溜まるので、そのままキャンプ場の灰捨て場にワンアクションで捨てる事が出来ます。

特徴その⑦ 長く使える様に高耐久性を追求したパーツ

FCSのパーツは高耐久性を追求したつくりとなっており本体の極厚アルミニウムはもちろんのこと、特に熱がかかりやすいロストル部分も高耐久な仕上がりにしました。

　　　　　　　　　　　　　　　使用前のロストル

　　　　　　　　　　　　　　　使用後のロストル

ステンレス製の焚き火台の良い点は冒頭でも記した様に持ち運びが楽でお手入れも簡単な事が挙げられますが、特に薄いステンレスを用いている焚き火台は2〜3回の使用で歪んでくることがあります。その耐久性もこのFCSを作る上でなんとか強化したいと考え、幾度となく耐熱試験を繰り返し、ついに0.2cmという最適な厚みを割り出してロストルの製作に踏み切りました。

囲炉裏スタイルに変形

サイドプレートを写真のロゴプレートの切り欠きに差し込む事で囲炉裏の様な焚き火スタイルを楽しむことが出来ます。

※囲炉裏スタイルにした際にサイドプレートに載せることが出来る荷重は3kgです。それ以上の物を載せると倒れる危険性がございます。

もう1つのロックピンの使い道

FCSがバラバラにならない様に固定するロックピン。その切り欠きで栓抜きにもなります。

オプション品スピットとの組み合わせで熾火調理にも最適

熾火の状態でオプション品のスピットを組み合わせてスキレットやダッチオーブンなどで調理器具を用いれば食事も楽しむことが出来ます。

スピット1本をサイドプレートとサイドプレートの窪みにかけて橋渡しし、ロゴプレートとスピットの上に調理器具を乗せます。端の方で調理をしながら、火力が弱くなったら薪を追加する事で火が強くなり、火力が強くなったら特徴④で記しましたサイドプレートとボトムプレートの隙間を小さな薪などで塞ぐ事で上昇気流が起きにくくなり、火を弱める事ができます。

火力の調整が使用できるこの焚き火台を射撃統制システム"FCS"に準え、Fire Control Standとしました。

【FCSスペック表】

・セット品構成パーツ: ロゴプレートx2枚、サイドプレートx2枚、ボトムプレートx1枚、ロックピンx1個、ロストルx1個

・セット品パーツ寸法

　　　　　　　　ロゴプレート: 縦23cm x 横 27.5cm x 厚み 0.5cm　

　　　　　サイドプレート: 縦16.8cm x 横 34cm x 高さ 1.5cm x厚み 0.5cm

　　　　　ボトムプレート: 縦14.5cm x 横33.5cm x 高さ 2cm x 厚み 0.5cm

　　　　　　　　　ロックピン: 縦 4cm x 横 7cm x 厚み 0.5cm

　　　　　　　ロストル: 縦 8cm x 横 30cm x 高さ 3cm x 厚み 0.2cm

・オプション品パーツ寸法

　スピット: 縦 30.5cm x 横 1cm x 高さ 2cm x 厚み 0.5cm

・総重量: 3.4kg

・素材: アルミニウム、ステンレス(ロックピンとロストルとスピット)

ブランド名の由来

ブランド名を考える際に思い浮かんだのは、まだ初心者だった私に資材を蓄えた拠点にいるかの様にギアに囲まれたベテランキャンパーさん。

そこからBase Camp Toolsという言葉が浮かび上がり、略してBacats(バキャッツ)としました。また、猫を冠したブランド名であること、「ベースキャンプ」という言葉からミリタリーテイストなデザインにしようと考え、ロゴマークは山猫をモチーフとしました。猫を育てて愛するかのように沢山のユーザー様にBacatsのギアを’飼って’ほしいと願いを込めています。 

共にキャンプを愛する家族や仲間同士で、それぞれがお気に入りのギアを持ち寄る中で選ばれるブランドの1つでありたいという願いも込めています。

楽しさや癒しは勿論のこと、キャンプならではのコミュニケーションや助け合いがBacatsを通して沢山起これば良いと願っています。

ものづくりの中心地、燕三条の技術を継承。北の大地で進化し続けた90年の歴史。

ものづくりの魂は受け継がれる

Bacatsのものづくりを支えるのは、北の大地札幌で90年以上の歴史を持つ株式会社樋口。創業者は、昭和5年にものづくりの中心地である新潟県の燕三条から札幌へ入植。銅製品加工の樋口鉄工所として発足して依頼、道内他社に先駆けてアルゴン溶接機やレーザ加工機を導入するなど、常に最先端の技術を反映させた商品の製造を行っています。 

主に手掛けている製品は、ステンレス製の建築金物や大型浴槽、業務用厨房機器と並ぶキッチンブランド「Suzuran Kitchen」を展開しています。現在では、金属加工工場の他にも木工工場を所有しており、90年以上にわたってものづくりの技術を継承し続けています。

プロジェクト概要

スケジュール

プロジェクト開始日: 2024年3月19日〜2024年5月18日

目標金額と使い道

目標金額20万円: ブランドのプロモーションや認知拡大

ブランドとしてまだまだ若いBacats。そのものづくりに共感していただけるサポーター様と共に更なるブランド醸成とつながりを大きくしていきたいと考えております。

実行者からのご挨拶

プロジェクトページをご覧頂き、誠にありがとうございます! 2022年にBacats(バキャッツ)という北海道発のキャンプギアブランドを立ち上げましたプロジェクト代表の北岡と申します。

冒頭でもお話ししましたが昨年12月のBacats第2弾プロダクト「小型薪割り機-PWS-」をmakuakeさんに掲載させて頂き、沢山のサポーター様に支えられてBacatsとしてとても反響があり嬉しく思っています。これもキャンプに対する熱い思いがあるサポーターの皆様のお陰です。大変ありがとうございました!

この度のプロジェクトは、PWSのプロジェクトと並行してまたも私の「欲しい」という思いが高じて製作を決定したプロダクトです。

焚き火台に関して色々な商品を使用してきた中で、鉄製とステンレス製のそれぞれのいいとこ取りが出来る焚き火台が出来ないかと考え製作致しました。

そういった中で、第1弾プロダクトの「LMGテーブル」で使用した極厚アルミニウムを用いて焚き火台を製作するとどうなるのか、初めは興味本位から試作を始め、その結果は先述した様になり、アルミニウム製の焚き火台が市場でなかなか見られないのが不思議なほどとても使いやすいプロダクトとなりました。

このプロダクトをまだまだBacatsを知らないキャンパーさんはもちろんのこと、より多くの日本全国のキャンパー様に手に取って頂き、お気に入りギアの仲間入りとして'飼って'頂ければと存じます。

Bacats ブランディングサイト

https://bacats.jp/

Bacats Instagram

https://www.instagram.com/bacats_official/

Bacats第1弾プロダクト「LMG(Light Metal Grill)テーブル」

https://www.makuake.com/project/bacats/

Bacats第2弾プロダクト「PWS(Portable Wood Splitter)」

https://www.makuake.com/project/bacats_2/