この度は弊蔵のページをごらんいただきありがとうございます。私は広島県にある酒蔵、福光酒造の福光寛泰と申します。蔵元と杜氏を兼務しております、どうぞよろしくお願いいたします。

令和3年3月より、新しい濁酒（どぶろく）造り（新商品）を開始いたします。

今回はなんと、業界でも例の少ない「ブドウ酒用4号酵母」というワイン酵母を使ったどぶろく作りに挑戦！

その新商品をMakuakeにて先行限定発売いたします。

酒蔵の説明、プロジェクトの説明をごらんいただき、是非ともご協力の程よろしくお願いいたします。

酒 蔵 の 復 活

2006年、三代目蔵元が病で倒れたのをきっかけに、福光酒造は日本酒造りの免許を国に返納。73年の歴史に幕を下ろしました。

それから9年後の2015年、山口県村重酒造で働いていた私が実家の酒蔵に戻り、地域の仲間や地元大学生の力を借り、4年かけて蔵の修繕、清掃、酒の醸造免許の新規取得を行い、2019年4月、13年ぶりに酒蔵が復活しました。

酒蔵は築148年の建物ですので、まだまだ補修、修理が必要な場所が多々あります。少しづつ改修をして、次世代に繋げていきたいと思います。

北広島町大朝

酒蔵は広島県と島根県の県境、北広島町大朝にございます。標高は400ｍから500ｍ。

古来より吉川氏が支配した地域でございます。今も、当時の遺構が残ります。

世界的にも珍しいイヌシデの突然変異「テングシデ」がございます。

春は山菜取り、夏はサイクリングやキャンプ、星空観察、秋は伝統の神楽、冬はスキーと一年を通じて楽しめる場所でございます。

どぶろくとは？

日本酒の新規醸造免許取得は事実上不可能に近いので、福光酒造ではどぶろく特区制度を活かして純米濁酒を造っています。

濁酒とは「どぶろく」のことです。太古の昔、どぶろくは祭礼に用いられる神聖なものとして扱われ、豊作祈願など神事で使われてきました。江戸時代になり清い酒、今でいう日本酒ができました。米を発酵させた飲み物の歴史でいえば、どぶろくの方がはるかに先輩です。

私が酒蔵に戻った当初、酒造免許の関係で、日本酒造りができないことを知った時は愕然としました。しかし、悔やんでもしょうがありません。濁酒造りと濁酒の啓発活動を天命と受け入れることにしました。

日本酒とどぶろくの違いは、醪を搾らない、分離させないことです。醪、すなわち、どぶろくを搾ると、日本酒と酒粕ができます。酒粕と甘酒の豊富な栄養成分をそのまま含んだのが「どぶろく」なのです！

新たな挑戦

酒蔵が復活して三年目の酒造りを迎えております。

昨年は辛口濁酒「鬼吉川」という商品を発売しました。毛利元就公の次男、吉川元春公の曽祖父にあたる吉川経基公没後500年を記念して造ったお酒です。

今年のチャレンジは、精米歩合を５５％まで上げて、日本酒でいうところの純米吟醸酒と低温長期発酵をおこない、香り華やかですっきりしたどぶろくを造ることです。

まず手始めに、広島県オリジナルの「広島もみじ酵母」を使用した５５％精米、吟醸造りのどぶろくを造りました。昨年造った９１％精米のどぶろくとは別物、香り華やかで飲みやすいどぶろくが出来ました。

その次のチャレンジが「ブドウ酒用4号酵母」で醸す新感覚「どぶろく」なのです！

ブドウ酒用4号酵母とは？

山梨県を中心に長年にわたって使われてきた代表的なワイン酵母です。日本酒はもちろん、どぶろくでもこの酵母を使用しての酒造りはまだまだ少なく珍しいです。ブドウやリンゴの香り、溌溂とした酸味のお酒になるそうで、とてもワクワクします。

出来上がるどぶろくについて

原料となるお米は、酒蔵がある地元で開発された「こいもみじ」カープの「こい」と、広島の県木「もみじ」が入った広島県オリジナルのお米です。地元では作り手がおらず、どぶろく醸造に際し、地元の農家の方と一緒に復活栽培いたしました。

どぶろくの醸造は、蔵元であり杜氏でもある福光寛泰が、醸造、瓶詰め、ラベル貼り、出荷まですべて一人で行います。

火入れをしない生酒なので、酵母や麹菌が生きています。（酒蔵内では、－１℃の冷蔵庫にて冷蔵保存しております。）

そのため、瓶内二次発酵が進み、発泡性のある濁酒になっています。

福光酒造の商品について

・「朝光」は福光酒造の代表銘柄です。廃業する前、13年前までは清酒の銘柄で使用していました。酒蔵復活に際し、商標を取り直し、清酒ではなくどぶろくの銘柄で復活させました。

・「鬼吉川」のネーミングは、応仁の乱で活躍した戦国武将「吉川経基」から命名いたしました。令和2年1月28日が、経基公没後500年ということで、記念して造った酒です。ちなみに、吉川経基公の曾孫が毛利三兄弟の「吉川元春公」にあたります。

お酒の紹介

行き場を失ったお酒を飲んで応援してほしい！

昨年は3月末に酒造りを終え、出来立てのお酒を皆様のもとにお届けさせていただく予定でした。そんな最中、新型コロナウィルスは流行し始めました。感染拡大を受け、飲食店の経営自粛やイベントのキャンセル等により、弊蔵の販売量が壊滅的に減少しています。何とかこの危機を乗り越え、ようやく復活させた酒蔵を存続させたいと思います。大変、心苦しいお願いでは御座いますが、何卒皆様のご支援をお願い申し上げます。