物で満ち溢れた現代。2000年代に入り、世界は急速に「小さく」なりました。
いい物に囲まれ、情報を簡単に手に入れられるようになったことと引き換えに、今まで以上のスピードでほとんどのモノ、コトが一般化していきます。
次第に「自分らしさ」を表現することは容易ではなくなり、ある種の窮屈さを感じる人も少なくないでしょう。
そんな現代に置いて、「単なる装飾ではなく、意味のある持ち物で自分自身を表現したい」という想いに寄り添い、そして何より私たちが「表現することを諦めない」新たな挑戦こそが、「ARTIDE」です。

ARTIDEでは、「The TIDE is turning 形勢を逆転する」をコンセプトに地場産業の技術を使って挑戦を続けるブランド「TIDE」と、その想いに共感した気鋭作家5名の表現が融合することで生まれる「新たなる表現」を目指します。

TIDEの「形勢を逆転する」、「表現を諦めない」という想いに対して感じ取ったことを元にアーティストの方々が原画を制作します。

TIDEがアーティストの原画の色や雰囲気を元に革を厳選し、マルチコンパクトウォレットに落とし込みます。創業時から得意としてきた革手袋加工技術（縫い目を見せない内縫い）を転用することで、軽さと丈夫さ、そして"しなやかさ"を兼ね備えたテクスチャーが生まれます。

マルチコンパクトウォレットにアーティストが表現を施します。アート表現と地場産業の技術を行き来し、融合することで新しい表現を目指します。

1979年山口県生まれ。幼少期から画家を志し、高校を中退後、独学で絵を描き続ける。
1999 年ギャラリー伝（東京）にて初個展、数々の個展を開催、グループ展に参加。
「生命の気力」を、動物や昆虫など自然界のモチーフを使って色と形とストロークを生かし、描く。道具だけでなく手や肘や足など体をつかってダイナミックに描く作品群は人々に強烈な印象を与える。

近年は東京のロイドワークスギャラリーでの個展や、星野リゾート「星野リゾート界 長門」での作品制作など精力的に作家活動を行う。

木原さんのインタビュー記事はこちら

1971年 愛知県名古屋市生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻修了。
多数の個展、グループ展に参加する志水の作品には、桜や富士山といった日本画の古典的要素が多く取り入れられているが、他にはないユニークさを備えているのは、主役として描かれるブリドリーの存在に他ならない。
多くの古い玩具を描いているうちに時間の象徴として誕生したブリキの鳥「ブリドリー」。可愛い玩具としてだけではなく、鳳凰やや八咫烏などにも変幻自在にさまざまな姿で描かれている。
洗練されたブリドリーの世界を描き出す作家である。

2020年だけでも東京で3回、大阪で1回展示を行なっており、ブリドリーの持つ世界観を多くの場所で発表している

志水さんのインタビュー記事はこちら

1983年三重県生まれ。2008年武蔵野美術大学造形学部油絵科卒業。
美大在学中から頭角を現し数々のアワードの受賞。
その作風は「発明的」で、画材が持つ多様な活用法を徹底的に考え抜き、可能性を活用した表現によって、抽象画や具象画など幅広く野心的な作品を作り出し、見るものを作品世界に引き込む。

近年は海外での展示も増え、メディアにも多く取り上げられ、作家自身の持つある種のアートへの客観性が多くの人の心を捉えている。

杉田さんのインタビュー記事はこちら

2001年 横浜生まれ。最年少でBSフジの「ブレイク前夜～次世代の芸術家たち～」にも出演、高校在学中に初個展を開催、その後も数々のコラボ企画でも注目を集める。
絵のモチーフとなるのは、自身の琴線に触れた政治や社会問題など。それに自分の解釈を織りまぜ、色の三原色（青緑、赤紫、黄）を多用し表現する。

2019、2020年含めて展示を7回、メディアにも出演など2000年代生まれの若手作家はすでに多くの美術関係者から注目されている。

鈴木さんのインタビュー記事はこちら

1989年兵庫県生まれ。
飛沫や素手など前衛的な手法で、日本人的な”見立て”や”禅”の感性と共に描かれ、哲学や人類学的な考察が入り混じった、精神性や意味性を重んじた作品が特徴。
アートの創造・鑑賞を人類特有の「確認の儀式」として捉え、「人間にとって確かな真実」の表現を自身の制作テーマとする。

ニューヨークや東京など国内外問わず、またメディアにも出演するなど日々アーティストとしての活動の幅を広げている。

本橋さんのインタビュー記事はこちら

今回の企画から生まれたマルチコンパクトウォレットは全てに手作りかつ手書きの要素が入っており、それぞれがこの世に一点しかないオリジナル商品です。機能性を持ちながらも普段使いできるアートとしてお楽しみいただけます。

【マルチコンパクトウォレット共通の仕様】
サイズ H8.5×W11×D2cm
※財布の容量イメージ
・二つ折りのお札 10枚
・カード 5枚
・小銭 15枚
・名刺 15枚
・鍵 4つ（スマートキー含む）
※一点一点がアーティストによる手書きのため、内容が写真と若干異なる場合がございます。

【アーティストが一堂に会する展示会初日にご招待】
今回のARTIDEで生まれた作家の原画と製品による展示会を実施します。
ご支援いただいた方には、ARTIDE展の招待券をお付けしております。
場所：東京都内のアートギャラリー（予定）
期間：2021年2月～3月（1週間程度を予定しています）

【ポストカード】
100mm×148mmのサイズに作家の原画を印刷したポストカードもお付け致します。

【その他】
ARTIDE限定BOXに梱包してお届け

【アーティスト名】
木原 千春 Kihara Chiharu

【制作意図】
今回、猫（Crawling cat）をモチーフに選んだ理由は、私が猫が好きと言うこともあるのですが、猫の体の模様の這うようなうねりや、波のように寄せては返す滑らかで力強い感じが、TIDEのパッチワークデザインと重なって見えたからです。 TIDEのコンセプトでもある「The TIDE is turning」。 これは潮目を変える、つまり形勢を逆転するという意味です。 そして、”Crawling cat”はその名の通り、“這う猫”。 このTIDEの理念と、”Crawling cat”に込めた私の想いを合わせて形にしたものが、木原千春のマルチウォレットです。 作品がいろんな方の手元に届いて、ワクワクを共有して、そして楽しんでいただけたら良いなと思っております。

【アーティスト名】
志水 堅二 Shimizu Kenji

【制作意図】
Surfing Bridolly 時間の象徴として描いているキャラクター「ブリキの鳥のブリドリー」は錆びて朽ちていくのを恐れず未来へ向けて羽ばたき続ける、そんなイメージを持っています。「Surfing Bridolly」は荒波を黄金のサーフボードで越えていくブリドリーを描きました。背景は波文様のひとつ「波頭」です。波頭は躍動感のある波を表したもので、寄せては返す波は、果てることがなく、永遠・不滅・誕生などを意味する吉祥文様です。また、何度も押し寄せ岩の形や地形をも変えてしまうことから、強い意志を持ち、あきらめず何度でもチャレンジする不屈の精神を表します。 TIDEのチャレンジを応援する気持ちで制作しました。

【アーティスト名】
杉田 陽平 Sugita Yohei

【制作意図】
他者と自分との関係性を考えました。 成長させてもらったり、自分自身について考えたり、絶望したり、他者と自分を繋げたり、でも離れていてもよくて、空中にある何か光るものを集めていく感じで、星座のようなモノで、、このようなキーワードをイメージの源泉に原画作品を作りました。 Multi Compact Walletは、手にとった人も表現者になれる。自分自身がブランドなんだ。そんな感じの気持ちになってもらえたら幸いです。自分のオリジナルについて考えるキッカケを与えて、自分自身とTIDEさんとそれを見る他者を、見えない糸で繋げられたら素敵だなと思います。

【アーティスト名】
鈴木 一世 Suzuki Issei

【制作意図】
タイトルは「#tide」です。潮や潮流という意味でこのタイトルをつけました。時勢の動き、時代の傾向や時代の潮流に乗るという意味が、ARTIDEの掲げているビジョンと共通点があると感じ、そこに自分のテーマであるYellow Mixtureスタイルで描きました。 Multi Compact Walletの裏側に施したのは、原画に部分的にある”直線”です。直線は、現代風刺をイメージしています。 また、曲線美が特徴のTIDEと同じく、私は普段から曲線をメインテーマの1つとして描いています。曲線は自然的なものの象徴です。潮の流れを表現しているTIDEのパッチワークにYellow Mixtureを取り入れることにより、私の絵画を感じていただける作品に仕上がったと思います。

【アーティスト名】
本橋 孝祐 Motohashi Kosuke

【制作意図】
私は数年前から「衝動の肯定」をテーマとして、素手で絵の具を叩きつけたシリーズを発表しています。 今回はその手法をベースに、血潮や脈動といったものを念頭に制作しました。 今回の原画は、躍動的で多面的な絵画です。それは、激しく変化する世の中で、それを超えるエネルギーを自らの中に持つ、という想いを表現しています。また、色彩は花や鳥などの生命をモチーフにしました。「渦」というタイトルは、全ての波は渦であるという普遍的な性質を表しています。 財布では、裏地に装飾が施されるため＜外側には大海のうねり、内側には人間のうねり＞という構図が生まれます。 こういったひとつの作品が、誰かの力になることを祈っています。

瀬戸内海から生まれたブランド

私たちTIDEは、瀬戸内海の南東に位置する香川県東かがわ市でバッグをはじめとした革製品を製造しています。
かつては革製品の産地として栄えた東かがわですが、上記の通り物の売れない時代と海外の大量生産の波に飲み込まれ、かつての賑わいは昔のこととなってしまいました。

しかし、私たちはそのような世界規模の変化に、喜んで適応したい。
目の前が明るくないからこそ、勇んで挑戦したい。

瀬戸内の海流が次々と潮目を変えるように、私たちの持てる技術力で、驚きと感動を与える製品をここ東かがわから発信し、社会の流れを変えたい。

あえて複雑に裁断した革パーツを、一つひとつ職人の手でつなぎ合わせてパッチワーク。 気の遠くなるような縫製作業から現れるその模様は、我が地である瀬戸内の潮の流れや大地の等高線を表しています。常に動き続ける我らの誇りと、ものづくりへの意地を表すための「ここ」でしかできないデザインです。

一般的なものづくりは、いかに効率良く作るかを考えて設計されます。TIDEはその既成概念を覆すものづくりで、世界を驚かせたい。効率化ではなく、自分たちが表現したいことは何なのか。それを考え抜いた結果出来上がった、我々の想いの結晶です。

各パーツの面はあえて大きめに作り、縫い合わせによる縮み効果を利用することで、パッチワークのパーツそれぞれが立体的に膨れ上がり、独特の躍動感を生み出しています。

ARTIDE 代表
内海 公翔 Utsumi Kosho

表現することは素晴らしいと、多くの人に感じてほしいと思い、私たちの資源であるクラフトと、表現の象徴であるアートの融合という、新たな挑戦による実現に挑みました。

今回のアートとの出会いは、偶然ではなかったようにも思います。
TIDEは、歴史や培ってきた技術など、私たちの”資源”を結集し、それを表現したクラフトによるアート作品とも言えるからです。

私自身、元々は自分の意思表示が苦手な性格でしたが、TIDEを通して表現することの素晴らしさを日々感じています。一歩踏み出すことにより、新たな展開は生まれていくのです。

本プロジェクトを通して、我々が「表現を諦めない」という姿勢を示すことで、表現に対して前向きになる人をもっと増やしたい。人と作品が放つパワーで、多くの人々の心を揺さぶりたいと考えています。

アートとクラフトの融合により、独自の表現を楽しんでいただきながら、実用的な製品としても価値をしっかりと感じていただきたい。私たちは、どちらも譲らない。
ARTIDEはそんな新たな挑戦です。