瓦のボウルは屋根瓦と同じ素材で作られた食器。

屋根瓦と同じで、決して安くはないけれど機能性はとても優秀な器です。

親から子へ、瓦屋根のおうちを引き継ぐように、何代にも渡って使っていただけるような「普段使いできる特別な食器」を目指して作りました。

瓦は保冷性に優れ、外気の温度の影響をほとんど受けない断熱性の高い素材。食べる前に10分ほど冷蔵庫に入れておくだけで、テーブルに出したあとも冷温が維持され、30分経っても料理をひんやり冷たくキープします。

このおかげで、真夏の暑さの中でも冷たい料理を極めて美味しい温度＝絶対温度で食べることができます。

暑くなるこれからの時期、冷たいものが食べたくなりますよね。

どんなに冷たく作られた料理も、食べ進めるうちに徐々に一番美味しいと思う温度から遠ざかってしまいます。瓦のボウルで冷たくて美味しい料理を楽しんでもらいたい。

真っ先に頭に浮かんだのはそうめんでした。

夏の家庭料理の代表とも言えるそうめん。

「ぬるいと美味しくないし、せっかくだったら冷たいそうめんを食べたい」

そう思っていても実際は食べているうちにぬるくなってしまいがち。

かと言って器に水を張ったり氷を入れたりすると、麺が水っぽくなって食感も悪く、つゆも薄まってしまう…

冷たいそうめんの美味しさを味わう難しさがありました。

そこで、「和泉手延長そうめん」を製造する間杉手延製麺所のみなさんに、実際に瓦のボウルを使ってそうめんを食べていただきました。

間杉手延製麺所は、昭和49年（1974年）に創業し、40年以上になります。現在は2代目も加わり、美味しい麺作りに毎日奮闘しています。
愛知県安城市和泉(いずみ)地区の伝統的な手延べ製法を大切に守り、年中夜明け前から麺作りをしています。

間杉手延製麺所の間杉升結さんは、瓦のボウルを使った感想をこう語ります。

「器の効果で時間が経過しても芯まで冷んやりした麺のままで、麺と麺はくっつきにくくほぐれます。氷や水は要らないので、つゆが薄まることもありません。

口に入れた瞬間ヒヤッとするくらいの冷たさを感じ、「和泉手延長そうめん」の特徴

でもあるモチモチっとした強い弾力のあるコシと、ツルツルの喉越しで本来の美味しさを充分に味わうことができます！」

冷たいそうめんが、やっぱり一番美味しい。

瓦のボウルは、そうめんを最もおいしく食べるのにぴったりの器になりました。

「一度冷やすとその冷たさを蓄えることができる」という瓦の保冷性は、我々が求める器にぴったりの素材でした。

「瓦で食器が作りたい」

そんな想いを叶えてくれたのが、日本三大瓦のひとつでもある三州瓦の老舗窯元の神仲さんです。

大正8年創業のに鬼瓦の工場として設立。多くの文化財に使われる瓦の修復、製造を行っています。

みなさんは大切な家を建てる時、どこを重要視して屋根材を選びますか？デザイン性、機能性、コスト等を考慮して決めていると思います。

瓦は初期コストは掛かりますが機能性ではとても優秀です。

断熱性、遮音性、耐久性が優れていますが最大の特徴は瓦と屋根の間に空気層ができることです。これによって調湿効果が高くなり家自体が長持ちしますし、空気層により直射日光による熱や外気温との緩衝役になり室内温度を和らげ快適な生活が送れます。

現在の瓦業界は、持ち家着工件数の減少や他屋根材の台頭により厳しい状況にあります。その中で瓦の良さを理解してもらえるよう活動しておりましたら今回のプロジェクトにお声掛けいただき、参加させていただきました。日々瓦や鬼瓦の焼物を製造しておりますが、食器を作る経験や知識は無かったので、出来上がるまでかなり試行錯誤しました。瓦のボウルを通じて、瓦をもっと身近に感じてもらえれば幸いです。

㈱神仲　神谷 琢

今回はネイビーとブラウンの2色をご用意しました。

この製品のために調合したオリジナルの釉薬(ゆうやく)です。

シックなトーンで食卓の雰囲気をぐっと引き締めるネイビーは、ちょっと地味な食材の色もグッと引き立ててくれます。そうめんのような冷たい料理が映える色でありながら、お野菜から肉料理まで幅広く使っていただけます。

和洋を問わずどんな料理にも使え、彩りを引き立てるブラウンは何枚あっても困らない食器の基本とも言えるカラー。釉薬が織りなすナチュラルな模様も、食卓に華を添えてくれます。

【サイズ】

7寸（約21cm） 深さ：約7ｃｍ

重量：約1,000g

【使用可能】

冷蔵庫、冷凍庫、電子レンジ、湯煎

【使用不可能】

IHヒーター、直火による加熱

※ 食器洗い乾燥機には対応しておりますが、機器の振動や水圧で器同士が破損する原因になりますので、長くお使いいただくくために手洗いをおすすめしております。

※ 製品は開発中のもののため、デザインや仕様が変更になる場合があります。

※ 色合いや釉薬の質感は個体差がありますが、性能に大きな差はありません。

※ 瓦の風合いを活かすため、目が粗く、焼き締まりが少なくなっております。使い始めの前に必ず目止めを行ってください。製品表面の微細な隙間が埋まり、汚れにくく染みがつきにくくなり、鍋の強度も高まり長持ちします。

冷たさを保つことができる瓦のボウルは、一度温めれば熱もしっかりと蓄えて逃がしません。おでんなどの煮物やパスタを盛りつければ、寒い日でも室温に左右されずに最後まで温かいままの料理をいただけます。

冷たい料理も、温かい料理も。

それぞれの「絶対温度」を保ちます。

瓦で食器をつくる。

このプロジェクトはまだ始まったばかりです。ボウルだけで終わりになるものとも思っていません。これに続けて、瓦の特性を活かした新製品の開発資金、また地場産業である三州瓦のさらなる発展に充てさせていただきます。