私は、もともと幅の広い足をしていたのですが、14歳まで続けていたクラシックバレエで足を酷使したせいもあり、幅の広い足はさらにゴツゴツと厚みを帯び、外反母趾の痛みにも悩まされるようになりました。それでも「おしゃれを諦めたくない」という一心から、痛みを我慢し、無理矢理ヒールを履いてきました。

その結果、親指の爪は（圧迫されたことから）正しく生えてこなくなり、スポーツなどで負荷がかかった際には痛みとともに内出血を起こし、まるで緑膿菌（グリーンネイル）が繁殖しているかのような黒い爪になってしまいます。

病院に行っても「水虫でもなければ、緑膿菌がいるわけでもないので治療の方法がなくお手上げです」といわれ、もっと自分の足を労わってあげればよかったと後悔しています。さらに30歳を超えたくらいから、ヒールを履くと膝や股間節が痛むようになり、本当に体が辛くなってきました。そして、挙句には、エクササイズやマッサージなど入念なケアの甲斐もなく、ただただ歩いている最中に「ぎっくり腰」になってしまいました。

１週間動けず、仕事仲間にも迷惑をかけたことで、ようやくヒールを履くことを諦めることができました。

ただ、半年もたたないうちに「女性には、どうしてもヒールを履かなければならない時がある」と強く思うようになりました。これはTPO（例えば仕事や結婚式など）の話もありますが、ロジカルに説明できるものではなく、女性としての内面的な話で、女性としての意地とでもいうのか、そういったものが女性にどうしてもヒールを履かそうとする時があると実感しました。

　誰のためでもなく自分のためにおしゃれなヒールを履きたい、なのに、今の自分にピッタリはまるデザインの履ける靴がない！！標準サイズから外れると、急に選択肢が狭まります。規格外のサイズにももっと選択肢はあっていいはず！そうした思いで「株式会社 any standard」を設立いたしました。

靴の勉強をしていく中で、自分が靴選びの基本的なことをいかに知らないかということに驚かされました。街でも、緩すぎる靴を履いている人、靴があっていないせいで足をかばって歩いている人が少なくないことに気づかされます。

正しいサイズ、ワイズ、足型を知って、足に合った靴のチェック方法を知るだけでも生活が格段に楽になります。足は全体重を支える大事な役割を担っています。無理な消耗を避け、おしゃれを楽しみながら、健康で快適な生活を一人でも多くの人に送っていただけたらと切に願っています。

株式会社 any standardでは、規格外の足型に向けた商品開発はもとより、自分に合った靴を履いてより快適な生活を送れるよう、正しい靴選びといった情報も提供していけたらと考えています。